年末調整が終わった1月は、源泉徴収票の発行・給与支払報告書の提出と並行して、この「法定調書合計表」も準備しないといけなくてバタバタしますよね。
1年に1回の書類なので、毎年やっていても忘れたり、初めて担当になった方は戸惑ったりするケースが多いと思います。
記入例を準備してみましたので、これを見ながら書いてもらえれば、問題ないと思います。
今回は合計表についての解説ですが、「源泉徴収票の書き方、見本、発行の仕方」も合わせてご覧ください。

ちなみに、合計表の前提となる年末調整の全体像は「年末調整の流れとやり方~計算方法等注意点を細かく解説~」でまとめています。
そもそも「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」とは?
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」は、1年間に会社が支払った給与や報酬をまとめた表です。
この表と源泉徴収票などの支払調書とセットで、翌年1月31日までに税務署へ提出しなくてはなりません。
どんな会社が提出しなきゃいけないの?
下の6つのいずれかの法定調書を作成する義務がある場合は、合計表も合わせて提出しなくてはなりません。
合計表提出の義務対象リスト
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
- 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
- 不動産の使用料等の支払調書
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書
- 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
多くの場合、給与を支払う会社であれば、提出義務があることになりますね。
【令和9年1月からの改正】電子提出の義務化対象が30枚以上に
令和9年(2027年)1月1日以降に提出する法定調書から、前々年に提出した法定調書の枚数が30枚以上のものは、e-Tax・光ディスク等による電子提出が義務化されます(これまでは100枚以上が対象でした)。

【令和8年分から】「1 給与所得の源泉徴収票合計表」は書かなくてよくなります
令和8年分の法定調書から、この合計表の書き方が大きく変わります。多くの会社では、一番上の「1 給与所得の源泉徴収票合計表(375)」欄が丸ごと空欄になります。
理由:源泉徴収票のみなし提出の特例
令和9年1月1日以降、給与支払報告書を市区町村に提出すれば、税務署に給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされます(源泉徴収票のみなし提出の特例)。税務署へ源泉徴収票を出さないので、合計表の「1」欄も書く必要がなくなる、という流れです。
「この欄は、『給与所得の源泉徴収票』を税務署に提出する場合に記載してください。源泉徴収票のみなし提出の特例により、市区町村に『給与支払報告書』を提出し、税務署に『給与所得の源泉徴収票』を提出しない場合は、当欄の記載は不要です。」
つまり給与支払報告書をeLTAXなどで市区町村へ出していれば、合計表の「1」欄は空欄です。「2 退職所得の源泉徴収票合計表」以降は今までどおり書きます。
源泉徴収票を税務署に出す場合の提出範囲も変わりました
あわせて、給与所得の源泉徴収票の提出範囲そのものも令和8年分から拡大し、給与支払報告書と同じ範囲になりました。
| 提出範囲 | |
|---|---|
| 令和7年分まで | 役員は150万円超、弁護士・税理士等は250万円超、その他は500万円超など、金額で絞られていた |
| 令和8年分から | 年の中途で退職した人に支払った給与等が30万円以下である場合以外の給与等のすべて |
金額の足切りがなくなったので、旧ルールの「役員150万円超・その他500万円超」で人数を数える作業はなくなります。源泉徴収票の詳細は「源泉徴収票の書き方・見本・発行の仕方」にまとめています。

e-Taxでの提出義務が「30枚以上」に下がります
基準年(前々年)に提出すべきであった法定調書の枚数が30枚以上(従来は100枚以上)であれば、その法定調書はe-Tax等での提出が必要です。判定は法定調書の種類ごとに行います。令和7年に30枚以上出していた種類は、令和9年提出分から書面では出せません。
令和8年分の年末調整全体の変更点は「令和8年分(2026年末)の年末調整の変更点」でまとめています。

記入例、書き方、記入上の注意点
記入例

上の例の様に書いてもらえれば、問題ないと思います。
書き方
多くの場合は、前年の書類を見ながら記入するのが多いと思います。
給与計算ソフトでこの書類が自動的に印刷できるようになっているものも多いですね。「マネーフォワード クラウド給与」や「freee人事労務
」など、クラウド系の給与ソフトだと年末調整・法定調書までワンストップで出せるものが増えてきています。
ただ、給与計算ソフトの場合、甲欄乙欄をちゃんと判別しない場合があったり、会社のやり方として年末調整する・しないなどの設定通りに源泉徴収票を発行していないケースもあり、注意が必要です(私も前職で乙欄の人の区分が漏れていて慌てたことがあります)。
とはいえ、手計算よりは間違いは格段に減りますね。
記入上の注意点、計算方法
それぞれの支払調書に共通してるのが、「支払総額」とそのうち「支払調書を出すものの合計額」を書く点です。
例えば、給与なら、年末調整している・してないに関係なく、「給与総額」を書いて、年収500万超えの提出対象となる年末調整をした源泉徴収票の「合計額」を書くイメージです。
用紙の入手先
通常、税務署から年末調整の仕方などと同時に、10~11月頃に郵送されてきますが、無い場合や書き損じた場合は、国税庁のページからダウンロードし、カラー印刷すれば使用可能です。
国税庁ホームページ「F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)」
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提出方法
提出方法は以下の通りです。
誰が提出するの?
会社の担当者
提出期限
翌年1月31日まで。1月31日が土日祝日に当たる場合は、翌営業日が期限になります。
添付書類
源泉徴収票などの支払調書と、上の合計表
提出先
所轄の税務署へ提出します(e-Tax・光ディスクでの電子提出も可)。郵送する場合は所轄税務署ではなく、その税務署を担当する「業務センター」宛てに送ってください(内部事務のセンター化によるものです)。対象の業務センターは国税庁ホームページで確認できます。
源泉所得税は10人未満だと年2回の納付に出来ます
給与から天引きする源泉所得税は、支払の翌月10日までに納付しないといけませんが、給与の支給人員が常時10人未満であれば、承認を受けて年2回納付に切り替えることができます(納期の特例)。役員やパートを含めた給与の支給人員で判定します。詳しくは「「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の記入例、書き方、提出時の注意点など」をご覧ください。

法定調書合計表に関するQ&A
- 1月31日が土日の場合はどうなるの?
-
提出期限が土日祝日に当たる場合は、翌営業日が期限になります。大きな問題にはならないとは思いますが、一応決められた期限通りに送ったほうがいいと思います。
- 提出枚数の数え方はどうするの?
-
税務署に提出する源泉徴収票・各支払調書の枚数を、法定調書の種類ごとに数えます。給与所得の源泉徴収票については、みなし提出の特例で税務署に提出したものとみなされた分も枚数に含めます。令和8年分からは提出範囲が「中途退職者で30万円以下の人を除く全員」に広がったので、令和7年分までの感覚より枚数がかなり増えます。30枚の基準に引っかかりやすくなる点に注意してください。
- 報酬や不動産の支払いがゼロでも合計表は出すの?
-
報酬・不動産欄は空欄(ゼロ)のままで問題ありません。空白で出していて注意されたことはないですね。
ただし令和8年分からは前提が変わります。合計表は税務署に法定調書を提出するときに一緒に出すものなので、みなし提出で源泉徴収票を税務署に出さず、ほかに提出する支払調書もない場合は、そもそも合計表の提出自体が必要ないことになります。判断に迷うときは所轄税務署に確認してください。 - 合計表だけe-Tax提出できるの?
-
できます。合計表はe-Tax、源泉徴収票や支払調書は紙で、という組み合わせも可能です。ただし令和9年(2027年)1月1日以降に提出する分から、前々年の法定調書の提出枚数が30枚以上の場合は電子提出が義務化されるので、今のうちに準備を進めておくといいと思います。
- 源泉徴収票の合計額には乙欄の人も含めるの?
-
「給与所得の源泉徴収票合計表」の「Ⓐ俸給、給与、賞与等の総額」の欄には、乙欄・丙欄の方も含めた全員の給与総額を書きます(丙欄適用の日雇労務者は人員に含めません)。「Ⓑ源泉徴収票を提出するもの」には、税務署への提出対象になった源泉徴収票分の金額だけを書きます。
なお令和8年分からは、みなし提出で税務署に源泉徴収票を出さない場合、この「1」欄自体の記載が不要です。 - 前年より会社の規模が変わったら何か届出はいる?
-
合計表自体は特別な届出は不要で、その年の実績に基づいて記入すれば問題ありません。ただし、源泉所得税の納期の特例(年2回納付)を使っている場合、従業員数が10人以上になったら別途「納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」の提出が必要です。
社員数が少ないなどの理由で、給与計算ソフト買ってくれない、、、私も以前そういう会社にいました。
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年末調整の昨年からの変更点は「年末調整、変更点まとめ」を、やり方や処理の方法については「年末調整から法定調書発送までのやり方と注意点」をご覧ください。
提出書類の書き方は、下記で解説してますのでよかったらご覧ください。
- 「令和9年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方、記入例、変更点など
- 「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」の記入例、書き方など
- 「令和8年分 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の記入例、書き方、注意点など
- 「住宅借入金等特別控除申告書」の記入例、書き方
その他の年末調整の記事もよかったらご覧ください。
