2026年総務・経理・労務の法改正スケジュール・リンク集

2026年の総務・経理・労務関係の法改正、概要を発表行政機関へのリンクとともにまとめました。ご活用下さい!

2025年分についてはこちらの「2025年総務・経理・労務の法改正スケジュール・リンク集」をご覧ください。

※本記事は2025年時点で公表されている情報をもとに作成しています。施行日未定のものや、今後の政省令により内容が変更される可能性があるものも含みます。最新情報はリンクにある各行政機関のサイトをご確認ください。

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1月

下請法等改正(中小受託取引適正化法(取適法)への移行)

政府広報オンラインより

近年、労務費や原材料費などのコストが急激に上昇している中、中小企業を始めとする事業者が賃上げの原資を確保し、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を目指すために、取引の適正化と価格転嫁の促進を図る法改正が行われました。

主な改正ポイント:
・法律名が「下請代金支払遅延等防止法」から「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」へ変更
・「親事業者」→「委託事業者」、「下請事業者」→「中小受託事業者」へ用語変更
・従来の資本金基準に加え、従業員数基準(300人/100人)が新設され適用対象が拡大
・手形払いの禁止、協議なき一方的な代金決定の禁止が追加
・事業所管省庁の主務大臣にも指導・助言権限を付与(執行の強化)

公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」
政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」

経理部門では支払サイトの見直し(60日以内)や手形払い廃止への対応、総務部門では契約書フォーマットの改定が必要です。また、従業員数基準(300人/100人)の新設により、これまで下請法の対象外だった企業も新たに適用対象となる可能性があるため、自社の取引を総点検しましょう。

労働安全衛生法改正(第1段階:1月1日施行分)

2025年に成立した改正労働安全衛生法・作業環境測定法は、2026年を起点に段階施行されます。1月施行分では、フォークリフトやクレーン等の特定自主検査・技能講習に関し、不正な修了証交付を禁止し、違反時には回収命令など厳格な措置が導入されます。

厚生労働省「労働安全衛生法関連」

2月

3月

4月

年金制度改正法①:在職老齢年金制度の見直し

年金を受給しながら働く高齢者が、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする、在職老齢年金の見直しをします。

在職老齢年金の支給停止基準額が、月50万円(2024年度価格)から月62万円(2024年度価格)に引き上げられます。2026年4月からは賃金変動を反映し65万円となります。これにより、新たに約20万人が老齢厚生年金を全額受給できるようになると試算されています。

厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」
厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

高齢者の就労意欲を阻害しない制度へ見直されます。企業の人事部門は、再雇用・嘱託社員の給与設計への影響を確認しておきましょう。

年金制度改正法②:社会保険の適用拡大(いわゆる「106万円の壁」撤廃)

短時間労働者の社会保険加入要件から「賃金月額8.8万円以上」の要件が撤廃され、週20時間以上の労働者は企業規模にかかわらず原則として社会保険の適用対象となります。また、企業規模要件についても段階的に撤廃される予定です。

厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

短時間労働者が適用対象となる事業所では、パート・アルバイトの加入対象が大幅に広がります。給与計算システムの対応、対象従業員への説明準備が必要です。

子ども・子育て支援金制度の開始

少子化対策を目的に新たに創設された制度で、医療保険料に上乗せして徴収し、その財源を子育て関連施策に充てる仕組みです。事業主および被保険者(従業員)が負担者となり、加入している医療保険や所得によって異なりますが、当初は月数百円程度から始まり、段階的に引き上げられる計画です。

こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

女性活躍推進法の改正(情報公表義務の拡大等)

時限立法である女性活躍推進法の有効期限が2036年3月31日まで10年延長されます。
また、男女間賃金差異の情報公表が、これまでの常用雇用労働者数301人以上の企業に加え、101人以上300人以下の企業にも義務化されます。さらに、女性管理職比率の情報公表についても、301人以上の企業に義務化されます。

厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」

対象が拡大される101人以上の企業は、男女間賃金差異の算出準備と公表体制の整備が必要です。

労働安全衛生法改正(第2段階:4月1日施行分)

個人事業者(フリーランス)の労働災害防止対策に関する規定が施行されます。注文者の措置義務や本人の教育受講義務等が新たに定められます。また、高年齢労働者の労働災害防止措置が努力義務化されます。

厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」

道路交通法改正(自転車等に対する反則金制度の新設等)

自転車の交通違反に対する反則金制度が新設されます。信号無視や一時不停止、携帯電話使用等の違反について、反則金を納付する制度(いわゆる「青切符」)が導入されます。

警察庁「道路交通法改正」

通勤で自転車を利用する従業員がいる企業は、従業員へ事前通知しましょう。

民法改正(離婚後の共同親権の導入等)

離婚後の子の親権について、父母双方が親権者となることができる「共同親権」が導入されます。離婚後も父母が共同して子の養育に関わることができる制度です。

法務省「民法等の一部を改正する法律」

5月

民事訴訟法改正(民事訴訟のデジタル化)

民事訴訟のデジタル化(IT化)が実施されます。訴状のオンライン提出や、ウェブ会議による口頭弁論等が制度化されます。

法務省「民事訴訟法等の一部を改正する法律」

薬機法等改正(条件付き承認制度の見直し等)

条件付き承認制度の見直しや、濫用のおそれがある医薬品の販売規制などが施行されます。

厚生労働省「医薬品関連」

医療法人や調剤薬局等は、濫用のおそれがある医薬品(OTC含む)の販売規制に注意が必要です。

6月

資金決済法改正(暗号資産・ステーブルコイン規制)

暗号資産や電子決済手段(ステーブルコイン)に関する規制が変更されます。

金融庁「資金決済法関連」

7月

障害者雇用促進法施行令改正(法定雇用率の引き上げ)

障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられ、2026年7月から2.7%となります(現行2.5%)。国および地方公共団体等は3.0%、教育委員会は2.9%です。
これにより、常時雇用する労働者が37.5人以上(従業員数38人以上)の企業に障害者の雇用義務が発生します。

厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」
厚生労働省「障害者雇用対策」

法定雇用率引上げに伴い、対象企業は障害者雇用計画の見直し、採用活動の準備、支援体制の構築を早めに進めましょう。毎年6月1日時点での障害者雇用状況報告書のハローワークへの提出も義務付けられています。

8月

9月

10月

カスタマーハラスメント対策の義務化(労働施策総合推進法改正)

カスタマーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となります。
カスタマーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものです。
①顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う
②社会通念上許容される範囲を超えた言動により
③労働者の就業環境を害すること

あわせて、求職者等(就職活動中の学生やインターンシップ生等)に対するセクシュアルハラスメントを防止するための必要な措置を講じることも事業主の義務となります。

厚生労働省「ハラスメント対策・女性活躍推進に関する改正ポイントのご案内」

すべての事業主が対象です。就業規則への方針明記、相談体制の整備、マニュアル作成、従業員研修など、早めの準備が必要です。特に医療・福祉・小売・サービス業など、顧客対応の多い業種では優先的に取り組みましょう。

年金制度改正法③:社会保険の適用拡大(企業規模要件の段階的撤廃)

短時間労働者への社会保険の適用について、企業規模要件が段階的に撤廃されます。2026年10月からは、従業員数の規模要件がさらに引き下げられ、より多くの企業のパート・アルバイトが社会保険の加入対象となります。

厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

労働安全衛生法改正(第3段階:10月1日施行分)

危険有害性情報の通知違反への罰則強化、個人ばく露測定の位置付け明確化等が施行されます。化学物質を取り扱う製造業・建設業等は特に注意が必要です。

厚生労働省「労働安全衛生法関連」

11月

サイバー対処能力強化法(2026年11月までに施行)

サイバー攻撃への対応に関する法整備が行われ、重要インフラに対するサイバー攻撃への政府の対処能力を強化する措置が講じられます。

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)

12月

施行時期未定(2026年中に施行予定)

公益通報者保護法改正(公益通報制度の実効性強化)

公益通報者保護制度の実効性が強化されます。内部通報制度の体制整備や通報者保護のための措置がより厳格に求められる見込みです。

消費者庁「公益通報者保護制度」

早期事業再生法(新設)

倒産状態になる前の段階で、裁判外の手続きにより金融機関等との債務調整を行い、早期に事業再生を図るための新しい法律が施行されます。正式名称は「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律」です。

法務省

【検討中・議論中】労働基準法の大改正(2026年以降施行見込み)

約40年ぶりと言われる労働基準法の大改正が議論されています。2026年の通常国会への法案提出は見送られましたが、改正内容が白紙になったわけではなく、引き続き注視が必要です。
主な論点:
・14日以上の連続勤務の禁止
・法定休日の特定義務化
・勤務間インターバル制度の義務化(11時間以上)
・副業時の割増賃金通算の見直し
・「つながらない権利」のガイドライン策定

厚生労働省「労働基準関係法制研究会」

法案提出時期は今後の政治情勢にもよりますが、施行されれば就業規則・勤怠管理・シフト設計に大きな影響があります。今のうちから情報をチェックしておきましょう。

まとめ

2026年は、取適法(旧下請法)の施行、年金制度改正(在職老齢年金見直し・106万円の壁撤廃・社会保険適用拡大)、カスタマーハラスメント対策の義務化、障害者法定雇用率の引上げなど、総務・経理・労務の実務に大きく影響する法改正が数多く施行されます。

特に4月と10月に施行が集中していますので、計画的に準備を進めることが重要です。

※施行日や詳細は今後の政省令等により変更される可能性があります。最新情報は各行政機関の公式サイトでご確認ください。

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