前職の源泉徴収票がない社員への対応 についてですが 結論から先に言うと年末調整はできません。
今回はその理由などと、前職の源泉徴収票に関する基礎知識に触れていきたいと思います。
源泉徴収票の書き方についてはこちらも合わせてご覧ください。
前職の源泉徴収票に関する基礎知識
年末調整は年間の所得と税額を調整するものであり、前職の給与・所得が分からない限り、年間の給与総額が分からないので、年末調整できません。
退職者の源泉徴収票について確認していきましょう。
前職の源泉徴収票はいつもらえる?
最後の給与が計算が終わった段階で源泉徴収票の作成は可能です。
ただ、最後の給与の支払いが終わった(確定した)後に渡すケースがほとんどです。(私は退職者には最後の給与明細とセットで源泉徴収票を渡しています)
法律的には会社は所得税法第226条により、「退職後1か月以内」に源泉徴収票を交付しなくてはなりません。
給与所得の源泉徴収票
源泉徴収票及び支払調書の提出 – 国税庁
1 居住者に対して給与の支払をする者は、年末調整終了後に各受給者について、その年の1月から12月までの間に支払の確定した給与の金額や源泉徴収税額などを記載した「給与所得の源泉徴収票」を2部作成し、そのうち1部を合計表とともに翌年1月31日まで(年の中途で退職した受給者については、退職後1か月以内)に税務署長に提出し、他の1部を受給者に交付しなければなりません(所法226①、所規93①)。
前職の源泉徴収票のもらい方は?
上の通り、法律で決まっている以上、前の会社から1か月以内に郵送されてくるのが普通です。
送られてこない場合、前職の給与担当(総務・経理)にTELして送ってもらいましょう。
どうしても無理な場合は、税務署へ相談しましょう。(この場合、現職の会社での年末調整は無理で確定申告となると思いますが、、、)
前職の源泉徴収票を出さないとどうなる?
前職の源泉徴収票を出さない場合、「経理担当は年末調整はできない」と言ってくると思うので、自分自身で確定申告することになります。
前職がある場合の年末調整は?
前職と現職の給与、社会保険料、税額などの数値を合計して集計、調整していきます。
詳細は「年末調整の流れとやり方~計算方法等注意点を細かく解説~」をご覧ください。
前職の源泉徴収票がない社員の年末調整はどうするか?
国税庁の見解~年末調整は見合わせる~
国税庁発行の手引き書「年末調整のしかた」において、次の記載があります。
前職分の給与とその徴収税額については、その人が前の給与の支払者から交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」などで確認することになりますが、その確認ができるまではその人の年末調整は見合わせてください。
つまり、前職の源泉徴収票がない従業員については、年末調整ができません。
年間の所得を調整するのが年末調整である以上、前職が不明であれば、調整しようがありません。
あとは従業員本人の問題になってしまい、従業員は自分で確定申告する必要が生じます。
前職があるかどうかの見極め
前職があるかどうかについては、本人が申告するかどうかが一つの分かれ目となると思います。
以前の職場では、大学生などで無職無収入の期間を、本人の署名で証明してもうらいう形で無職無収入証明書等を作成していました。
履歴書の前歴何と比較したり様々なやり方があると思いますが、もめるようであれば 確定申告という流れでいいと思います。
年末調整の昨年からの変更点は「年末調整、変更点まとめ」を、やり方や処理の方法については「年末調整から法定調書発送までのやり方と注意点」をご覧ください。
提出書類の書き方は、下記で解説してますのでよかったらご覧ください。
- 「「令和7年分給与所得者の扶養控除等申告書」の書き方、記入例、変更点など」
- 「「令和6年分保険料控除申告書」の記入例、書き方など」
- 「「令和6年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の記入例、書き方、注意点など」
その他年末調整についての次の記事もよかったらご覧ください。