「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の記入例、書き方、注意点等

給与計算の住民税の手続きは、覚えてしまえば毎回同じなのですが、はじめてやると不安ですよね。

そこで今回は、「住民税の特別徴収ってどうやるの?~給与の住民税処理入門~」でも一部書いてますが、住民税の「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」(以下、異動届)の記入例や注意点についてまとめます。

ちなみに、

異動届が退職したときなどの特別徴収からの変更」に対して、

切替書は入社時などの普通徴収からの切替

です。

住民税の手続き 異動届と切替書の違いを示す比較図

切替書については、「住民税「特別徴収切替届出(依頼)書」の記入例、書き方、注意点」に詳しく書いてます。

よく見る法人番号については、「法人番号とはなに?どうやって調べるの?」でふれています。

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「給与所得者異動届出書」とは?

どのような時に提出?

この用紙は従業員が「退職」「休職」「転勤」などをした場合、つまり住民税が天引きできない時に、各市区町村へ提出するものです。

用紙はどこで手に入るの?

基本、各市区町村ごとに用紙が違うため、その市区町村のホームページからダウンロードして提出することが好ましいですが、手元にある他の市区町村の用紙を提出しても、これまで怒られたことはないですね。

どこへ提出?いつまで?

提出は、「異動の理由の発生した月(退職日など)の翌月10日までに行います。

提出先は、各市役所の担当部署(課税課など)です。

私は、他の部署に回らないように、郵送で封筒の表面に「給与所得者異動届出書 在中」と書いて送ってます。

最近はeLTAX(地方税ポータル)の電子申告で出すケースも増えてきましたね。電子で出すと送付の手間がなく、決定通知も紙よりは早く返ってくる印象です。

異動届の提出から決定通知書到着までの時系列フロー

異動届出書を提出した時、住民税の天引きはいつまで?

退職し、最後の給与で天引きできる時までです。

例えば4/28退社で5/25払いの給与があり、住民税を引ける額なら、5月分(6/10締め切り分)まで住民税を引きます。

一括徴収するケースの例も挙げると、1月退職で残り5回分(1月~5月分)の住民税が残っている場合、最後の給与から残5回分をまとめて天引きします。

異動届出書を提出したら、決定通知書はいつくるの?

異動届出書を市役所側が受理した後に発行される「決定通知書」ですが、会社への到着時期はバラバラです。

これは市区町村によって、締め日が異なるからだと思います。おおよそ1か月前後ですね。

なお、eLTAXで電子提出した場合は、紙より早めに通知が返ってくることが多い気がします。

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「給与所得者異動届出書」の記入例・記入上の注意

記入例(退職後、一括徴収しないケース)

記入例として一番多いと思われる、「退職後、一括徴収しないケース」を用意しました。

市区町村によって書式は異なりますが、赤字のところを書いてもらえれば問題ないと思います。

給与所得者異動届出書 記入例(退職後・一括徴収しないケース)

注意事項としては、従業員の住所はその年の1月1日の住所です。

また、源泉徴収票などに書いてある「給与の支払額」や「社会保険の控除額」などを転記する必要があります。

(この給与の支払額は、非課税の交通費などを除いた支給額を記載します)

休職で在籍はしているものの給料から天引きできない、というケースでも提出が必要です。

退職後に一括徴収する場合や転職先がある場合はどう書く?

「1月以降の退職でまとめて住民税を徴収する一括徴収する場合」は、退職後未納となる残りの住民税を一括徴収する状況を書きます。

退職時期と一括徴収の関係を整理すると、こんな感じです。

  • 1/1〜4/30に退職:本人の申し出がなくても、残額を最後の給与・退職金から一括徴収するルール
  • 6/1〜12/31に退職:本人から申し出があった場合のみ一括徴収。申し出が無ければ普通徴収(本人が市区町村へ直接納付)に切り替わる
  • 5月退職:5月分が最後の特別徴収月なので、通常はそのまま完納
 退職時期別の住民税一括徴収ルールを月単位で示すタイムライン

「グループ会社への転職や、転職後の異動先が分かっている場合」は、新しい勤務先を記入したうえで、次の勤務先の情報も合わせて記載します。

普通徴収への切替について詳しくは、「給与支払報告書・普通徴収切替理由書(兼仕切書)の書き方、記入例」も参考にしてください。

決定通知書をもらった後に退職・休職になったらどうする?

このように、従業員が退職などの異動があった時に書く用紙ですが、毎年5月の半ばから住民税の決定通知書が送られてきた際に、1月に各市役所へ個人明細書を送った後の退職や休職で給与から引けない場合もこの用紙を用いて各市区町村へ届出が必要となります。

「給与所得者異動届出書」のよくある質問

市外へ引っ越して住所が変わった従業員が退職した場合、提出先はどこですか?

異動届の提出先は、その年の1月1日に住んでいた市区町村です。引っ越し後の市区町村ではないので注意してください。住民税は1月1日時点の住所で課税されているので、納付先も同じ市区町村になります。

死亡退職の場合も異動届は必要ですか?

必要です。異動の事由欄に「死亡」と記載して提出します。残った住民税は、相続人が承継するか、状況によって市区町村が個別に判断するので、まずは異動届を出して連絡を待つ流れになります。

12月退職で年内に最後の給与がない場合はどうしたらいいですか?

1月以降の退職に該当する場合は原則一括徴収ですが、最後の給与・退職金から徴収できない(不足する)ときは、残額を普通徴収に切り替えて本人が直接納付する形にします。異動届の「未徴収税額」欄に金額を記入し、徴収方法を「普通徴収」にチェックしてください。

マイナンバーは記載が必要ですか?

市区町村により扱いが分かれます。様式にマイナンバー欄がある場合は記載しますが、空欄でも受理されることが多いですね(私の経験上、空欄で出して怒られたことはないです)。気になる場合は、提出先の市区町村に事前確認するのが確実です。

eLTAX(電子申告)でも異動届は出せますか?

出せます。eLTAXの「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」のメニューから電子申告できます。紙の郵送と比べて、市役所からの決定通知も早めに返ってくる印象です。複数の市区町村にまとめて出すなら、eLTAXの方が圧倒的にラクですね。

未徴収の住民税が残ったまま退職した従業員は、その後どうなりますか?

異動届で「普通徴収」に切り替える届出を出すと、市区町村から本人宛に納付書が送られて、本人が直接納付する形になります。会社側は異動届を出した時点で対応完了で、その後の徴収は本人と市区町村のやりとりです。

異動届出書を簡単に作成する方法

異動届の作成って、ただでさえ退職処理の時は他にも書類作成や手続きが多いのに……簡単に素早くできないかなあと、ずーと悩んできました。

しかし、給与計算ソフトの「」を使うと、退職日を入力して数回クリックするだけで、簡単に異動届を作成することが出来ます!

  • 退職日を入力するだけで異動届が自動作成
  • 健保の喪失届・雇用保険の離職票・喪失届・源泉徴収票も同時に作成可能
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