採用通知・不採用通知の出し方とマナー

面接が終わり、合否が決まったら、応募者に結果を伝えます。採用通知も不採用通知も、ただ結果を知らせればよいというものではなく、出し方やマナーが会社の印象を大きく左右します。

私も総務で結果連絡を担当するなかで、連絡が一日遅れただけで「他社に決めました」と言われた経験があります。逆に、丁寧でスピーディーな連絡は、入社の決め手になることもあります。通知は採用活動の最後の大事な一手です。

今回は、採用通知・不採用通知の出し方とマナー、そして文例を整理しました。内定の成立など気をつけたい法的なポイントも含めて解説するので、参考にしてください。

なお、募集から内定・入社までの採用全体の流れは求人〜採用など<入社前の手続・準備>でまとめているので、あわせてご覧ください。

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採用通知・不採用通知とは?

まずは、採用通知と不採用通知がどういうものかを整理しておきましょう。選考の最後に行う、応募者への結果連絡です。

選考結果を伝える連絡

採用通知は採用を決めた応募者に、不採用通知は採用に至らなかった応募者に、それぞれ選考結果を伝える連絡です。応募者は結果を待っている間、不安な気持ちで過ごしています。採用・不採用にかかわらず、できるだけ早く結果を知らせるのがマナーです。

採用通知は内定の意思を伝えるもの

採用通知は、会社が「あなたを採用します」という意思を伝えるものです。これにより、応募者は安心して入社の準備を進められます。後ほど触れますが、採用通知を出すと法律上の「内定」が成立すると考えられるため、出すタイミングや内容には注意が必要です。

通知のスピードと丁寧さが採用力を左右する

結果連絡が遅いと、応募者の不安や不信につながり、他社に決めてしまうこともあります。とくに採用したい人ほど、早く連絡することが大切です。通知のスピードと丁寧さも、立派な採用力の一つだと考えましょう。

採用通知の出し方

採用を決めたら、できるだけ早く本人に伝えます。具体的な出し方を見ていきましょう。

伝える方法(電話と書面・メールの使い分け)

採用の連絡は、まず電話で伝えると喜ばれます。声で伝えることで、歓迎の気持ちが伝わり、応募者も質問しやすくなります。そのうえで、採用通知書や採用通知メールを送り、内容を書面で残すのが丁寧なやり方です。記録が残ると、後の行き違いも防げます。

採用通知書に書く項目

採用通知書には、応募者が次に何をすればよいかが分かるよう、必要な情報を盛り込みます。主な項目は次のとおりです。

項目内容
採用する旨選考の結果、採用が決まったこと
職種・勤務地採用するポジションと勤務場所
入社予定日いつから働いてもらうか
提出書類入社までに用意してもらう書類
返答期限・連絡先いつまでに承諾の返事がほしいか、問い合わせ先

労働条件は労働条件通知書で別途明示する

採用通知書は「採用が決まったこと」を伝えるもので、詳しい労働条件まで書く必要はありません。給与・労働時間・休日などの労働条件は、労働基準法にもとづいて労働条件通知書で別途明示するのが原則です。採用通知書に概要を載せる場合も、正式な条件は労働条件通知書で示すと、行き違いを防げます。

採用通知を出すときの注意点(内定の成立)

採用通知でとくに気をつけたいのが、「内定」が成立するという点です。ここを知らずに通知すると、思わぬトラブルになることがあります。

採用通知で内定が成立する

  採用通知から内定成立までの流れの図

会社が採用通知を出し、応募者が承諾すると、法律上の「内定」が成立すると考えられています。内定は労働契約が成立した状態に近く、会社の都合で安易に取り消すことはできません。

「やっぱり別の人にしたい」といった理由で内定を取り消すと、トラブルや損害賠償に発展するおそれがあります。内定取消や試用期間中の解雇のルールは別記事でまとめているので、あわせて確認してください。

内定承諾の確認・入社までのフォロー

採用通知を出したら、応募者からの承諾の返事を確認します。承諾の意思は、内定承諾書などの書面でもらっておくと確実です。また、入社までに期間が空く場合は、たまに連絡を取って不安を解消すると、辞退を防ぎやすくなります。内定者を放置せず、丁寧にフォローしましょう。

不採用通知の出し方とマナー

不採用の連絡は気が重いものですが、応募してくれた人への礼儀として、きちんと伝えることが大切です。

できるだけ早く・丁寧に伝える

不採用の場合も、結果が決まったらできるだけ早く伝えるのがマナーです。連絡を待たせ続けるのは、応募者にとってつらいものです。応募してくれたことへの感謝を一言添えると、印象が和らぎます。不採用通知は、書面やメールで丁寧に伝えるのが一般的です。

不採用の理由は基本伝えなくてよい

不採用の理由は、基本的に伝える必要はありません。理由を細かく説明すると、かえってトラブルになることもあります。「慎重に検討した結果、今回はご期待に沿えない結果となりました」といった、当たり障りのない表現にとどめるのが一般的です。応募者を否定するような書き方は避け、敬意を持った文面にしましょう。

応募書類の返却・処分への配慮

不採用者から預かった履歴書などの応募書類は、返却するか、責任を持って処分します。個人情報なので、不要になったらシュレッダーなどで確実に廃棄しましょう。返却するか処分するかの方針を、不採用通知の中で伝えておくと親切です。

通知の文例

実際に通知を作る際の参考に、簡単な文例を紹介します。自社の状況に合わせて調整してください。

採用通知の文例

このたびは弊社の採用選考にご応募いただき、ありがとうございました。慎重に選考を進めました結果、ぜひ一緒に働いていただきたく、採用を決定いたしましたのでお知らせします。つきましては、入社日や提出書類についてご案内いたしますので、〇月〇日までに同封の書類をご返送ください。ご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。

不採用通知の文例

このたびは弊社の採用選考にご応募いただき、ありがとうございました。慎重に選考を進めました結果、誠に残念ながら、今回はご期待に沿えない結果となりました。ご応募いただきましたことに、あらためて感謝申し上げます。なお、お預かりした応募書類は、責任を持って処分させていただきます。末筆ながら、〇〇様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

通知を出す流れ

採用・不採用の通知は、次のような流れで進めると漏れがありません。

STEP
結果を確定させる

面接の評価をまとめ、採用・不採用を確定します。採用する人には、入社日や条件もあわせて決めておきます。

STEP
連絡方法を決めて通知する

採用は電話+書面、不採用は書面やメールなど、方法を決めて連絡します。できるだけ早く伝えるのがポイントです。

STEP
返答の確認と書類の案内

採用者からは承諾の返事を確認し、入社に必要な書類を案内します。不採用者には、応募書類の取り扱いを伝えます。

まとめ

採用通知も不採用通知も、応募者への結果連絡であると同時に、会社の印象を左右する大事な一手です。採用・不採用にかかわらず、できるだけ早く、丁寧に伝えることを心がけましょう。

採用通知は、出すと内定が成立するため、安易な取消はできない点に注意が必要です。労働条件は労働条件通知書で別途明示し、内定者は入社までフォローしましょう。不採用通知では理由を細かく伝えず、応募してくれたことへの感謝と書類への配慮を忘れずに。丁寧な通知が、会社の信頼につながります。

よくある質問

採用の連絡は電話と書面のどちらでするべきですか?

両方を組み合わせるのがおすすめです。まず電話で採用を伝えると歓迎の気持ちが伝わり、応募者も質問しやすくなります。そのうえで採用通知書やメールを送り、内容を書面で残すと、後の行き違いを防げます。不採用の場合は、書面やメールで丁寧に伝えるのが一般的です。

不採用の理由は伝えた方がいいですか?

基本的に伝える必要はありません。理由を細かく説明すると、かえってトラブルのもとになることがあります。「慎重に検討した結果、今回はご期待に沿えない結果となりました」といった当たり障りのない表現にとどめ、応募してくれたことへの感謝を添えるのがよいでしょう。

内定はいつ成立するのですか?

会社が採用通知を出し、応募者が承諾した時点で、法律上の内定が成立すると考えられています。内定は労働契約が成立した状態に近く、会社の都合で安易に取り消すことはできません。採用通知を出すときは、この点を踏まえて慎重に判断しましょう。

承諾の返答期限はどのくらいに設定すればいいですか?

明確な決まりはありませんが、一週間程度を目安にすると、応募者も検討しやすく、会社も次の対応を進めやすくなります。応募者が他社の選考中である場合などは、事情を聞いて柔軟に対応すると、辞退を防ぎやすくなります。期限はあくまで目安として、無理のない範囲で設定しましょう。

採用通知を出した後に辞退されたらどうなりますか?

応募者側から内定を辞退することは、基本的に認められています。会社としては残念ですが、無理に引き留めることはできません。辞退の連絡を受けたら、次点の候補者への連絡や再募集を検討します。入社までのフォローを丁寧に行うことで、辞退そのものを減らす工夫も大切です。

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