社員が会社の費用を自分のお金で一時的に支払ったとき、その分を会社に請求して返してもらうのが「立替払申請書」です。経費精算書とほぼ同じ役割ですが、立替えたことをはっきりさせる意味で専用様式を使う会社もあります。
立替えで少しややこしいのが、インボイス制度です。社員名義の領収書だと、そのままでは会社が消費税の控除を受けられないことがあり、「立替金精算書」という書類が必要になる場面が出てきます。
今回は、立替払申請書の書き方と記入例、それからインボイス対応の注意点をまとめました。様式・フォーマットを整えたい方は参考にしてください。
立替払申請書とは
立替払申請書は、社員が業務のために立て替えて支払った費用を、会社に払い戻してもらうための書類です。交通費や少額の備品など、その場で社員が払った費用を後から精算します。
会社によっては経費精算書と同じものとして扱いますが、「立替えた」ことを明確にしたい場合に専用様式を使います。仮払い(先にお金をもらう)とは逆で、先に社員が払う点が違いますね。
社内の立替えと社外の立替えの違い
「立替え」には2つのパターンがあり、必要な書類が変わります。ここを混同しやすいので整理しておきます。
| パターン | 誰が立替えた | 使う書類 |
|---|---|---|
| 社内の立替え | 社員が会社の費用を立替え | 立替払申請書(経費精算書) |
| 社外の立替え | 取引先が自社の費用を立替え | 立替金精算書(インボイス対応) |

日常で多いのは社内の立替え(社員の立替払申請)です。社外の立替えは、後で説明するインボイスの絡みで「立替金精算書」が必要になります。
立替払申請書に書く項目(記載項目一覧)
- 申請者の氏名・所属・申請日
- 立替えた日付
- 支払先・用途(何のための立替えか)
- 勘定科目・金額(税込/税率)
- 合計額・領収書の有無
- 払戻し先(本人の口座など)・承認欄
経費精算書とほぼ同じですが、立替えた本人への払戻し先を明確にするのがポイントです。現金で返すのか、給与と一緒に振り込むのかも決めておくと処理がスムーズです。
立替払申請書の記入例(文例)

記入例を載せておきます。金額などは架空のものなので、自社の様式に合わせてください。
立替払申請書(文例)
申請日 令和 年 月 日
所属 総務部 氏名 山田太郎
① 5/10 〇〇電器 会議室の延長コード 消耗品費 2,200円(10%)
② 5/14 △△郵便局 切手購入 通信費 1,000円(非課税)
③ 5/16 □□駐車場 来客対応の駐車代 雑費 660円(10%)
合計 3,860円
払戻し先 給与口座へ振込 / 領収書3枚添付
上の例のように、日付・支払先・用途・勘定科目・金額(税率)を1行ずつ書いてもらえれば問題ないと思います。切手や印紙など消費税が非課税のものは、税率欄に「非課税」と書いてもらうと集計が正確になります。
立替払申請書のテンプレート(無料ダウンロード)
そのまま使える立替払申請書のテンプレートを用意しました。社内の様式がまだ決まっていない方は、こちらをベースに使ってください。Excel版は金額の合計が自動計算されます。Word版は印刷してそのまま手書きで記入できます。
- 記入例の会社名・氏名・金額はすべて架空のサンプルです。自社の内容に書き換えてお使いください。
- Excel版は合計が自動計算されます。Word版は印刷してそのまま記入できます。
インボイス制度と立替金精算書
立替えで特に注意したいのがインボイスです。会社が消費税の仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書(インボイス)が必要ですが、立替えだと宛名が問題になることがあります。
社員名義の領収書はどうなる?

社員が立て替えた領収書の宛名が社員個人名になっている場合、それだけでは会社が控除を受けられないことがあります。この場合、インボイス(領収書)に加えて、会社宛の立替金精算書を作成・保存することで控除が認められます。
とはいえ、3万円未満の公共交通機関や、宛名のない適格簡易請求書(レシート)であれば、立替金精算書がなくても処理できる場合があります。すべてに精算書が必要なわけではないので、ケースで判断します。
取引先が立て替えてくれた場合
取引先が自社の費用を立て替えてくれた場合は、取引先から立替金精算書を発行してもらい、もとのインボイス(写し)を添付してもらいます。これがないと、自社は消費税の控除を受けられません。
【ポイント】
立替金精算書は、「立て替えてもらった費用が、本当は自社のものである」と示すための書類です。インボイスの宛名が自社でないときに、控除を受けるための橋渡しになります。

このあたりの判定は手作業だと複雑なので、会計ソフト(「freee会計」など)で立替えの処理をテンプレート化しておくと、控除漏れを防げます。
運用するときの注意点
提出期限を決める
立替えは社員のお金が出たままなので、なるべく早く精算してあげるのが親切です。「月末締め・翌月払い」のように期限を決めておくと、社員も安心して立て替えられます。
領収書のない立替えは出金伝票で
電車賃など領収書が出ない立替えは、出金伝票で代用します。出金伝票の書き方は、出金伝票の書き方|交通費の記入例・仕訳もわかりやすく解説でまとめているので、あわせてご覧ください。

電子で受け取った領収書は電子保存
立替えの領収書も、データで受け取ったものは電子帳簿保存法に沿って電子のまま保存します。紙とデータが混ざらないよう、保存ルールを決めておくと管理が楽です。
よくある質問(FAQ)
- 立替払申請書と経費精算書は何が違いますか?
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役割はほぼ同じです。会社によって呼び方が違うだけのこともあります。「立て替えた」点を明確にしたい場合に立替払申請書を使い、日常の経費は経費精算書、と使い分ける会社もあります。
- 立替金精算書は毎回必要ですか?
-
毎回ではありません。社員名義の領収書で会社が控除を受けたいときなどに必要です。3万円未満の交通機関や、宛名のないレシート(適格簡易請求書)であれば不要なケースもあります。
- 立替金が高額になっても精算できますか?
-
できますが、高額になりそうな場合は仮払い(先に会社が支給)を使う方が社員の負担が小さいです。出張費など金額が読めるものは、立替えではなく仮払いに切り替えるとよいです。
- 払戻しは現金と振込どちらがいいですか?
-
記録が残る振込(給与口座など)が管理上は安心です。少額なら小口現金で返す会社もあります。どちらにするか社内ルールで決めておくと処理が統一できます。
- 領収書の宛名は会社名にしてもらうべきですか?
-
可能なら会社名でもらう方が確実です。会社名宛のインボイスなら、立替金精算書なしで控除できます。難しい場合はレシート(適格簡易請求書)で代用する方法もあります。
まとめ
立替払申請書は、社員が立て替えた費用を払い戻すための書類です。経費精算書とほぼ同じですが、払戻し先を明確にし、インボイス対応に気をつけるのがポイントです。
- 日付・支払先・用途・勘定科目・金額(税率)・払戻し先を記入
- 社員名義の領収書で控除したいときは立替金精算書が必要な場合あり
- 取引先が立替えた場合は立替金精算書+インボイス写しをもらう
- 提出期限を決め、領収書のないものは出金伝票で代用
立替えはインボイスの宛名さえ押さえておけば、難しくありません。これから立替えの運用を整える方の参考になればうれしいです。




