社長のみの会社なら労働保険の手続きは不要ですが、一人でも採用した際は今回の「労働保険保険関係成立届」を提出し、労働保険の手続きをしなくてはいけません。
その設立届の書き方を記入例とともに解説していきます。
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「労働保険保険関係成立届」とは
労働保険は、従業員が一人でも加入が義務となります。
このため、採用した際は今回の成立届が必要です。
雇用保険の加入条件
雇用保険は、「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込がある人を雇い入れた」従業員が適用対象となります。
なので、採用したけど週15時間の条件なら、労働保険だけの加入となります。
一元適用事業と二元適用事業の違い
雇用保険と労働保険を一つに扱うか別で扱うかの違いです。
区別して扱うのが二元適用事業で、主には農林水産業、建築業が該当します。
それ以外は一元適用事業であり、多くの企業が該当します。今回は、 一元適用事業 を例に解説していきます。
「労働保険保険関係成立届」の書き方、記入例
書き方、記入例は上の通りです。
労働保険番号は、提出先の労働基準監督署の方で記入するので空白になります。
①②は採用する会社の所在地を記入します。
③④の事業の概要や種類については、不安であれば空白にして監督署に提出するときに、謄本などを見せながらどんな仕事か説明すれば、労基署の人が教えてくれますよ。
⑥の保険関係成立日については、採用した日になります。
⑧の賃金総額の見込額は、採用年月日から年度末3月31日までに発生する通勤費込みの支給額総額になります。年収とは違うので注意が必要です。
もし事業組合などに委託する場合は⑨の事業組合欄に記入が必要です。
⑰から⑳は記入例の通り書いてもらえれば特に問題ないと思います。注意点としては濁音はヒトマスです。「ガ」->「カ」「″」
㉑の保険関係成立年月日については⑥の保険関係成立年月日と同じになります。
㉓常時使用者労働者数は働いている人数で㉔雇用保険者数はそのうちで雇用保険に加入する人の人数をいます。
あと㉕の法人番号も忘れずに。
提出場所、提出期限
所轄の労働基準監督署 に、 保険関係が成立した日(採用日)の翌日から起算して10日以内
添付書類
商業登記簿謄本のみ(本社所在地と採用拠点が異なる場合は、その拠点の賃貸借契約書などが必要です)
謄本はオンライン請求が便利です。別記事の「会社の謄本の取得はオンライン申請が便利」でもやり方を解説しています。
その他注意点
記入上の注意として、本店所在地と採用した場所が異なる場合がありますが、①の事業主に本店の所在地、②に採用した拠点の所在地を書きます。人を採用したときの話のことなので本店所在地を書くのは①事業主の欄だけで、その他は採用拠点のことを書きます。
社員の給料の話はダメでも、同じ仕事をしている他の会社の人の給与は気になりますよね。「統計からみる総務・経理の年収、給与」でみんなどれぐらいもらっているかまとめてみました。よかったらご覧ください。
その他、会社設立時や初めて採用した時に労働保険、雇用保険で必要な書類は?
労働保険や雇用保険で新たに採用した際に必要となるのは、主に、今回の書類を含めて下の4つです。
(従業員数の増加や労働状況によって、就業規則や36協定の提出などが必要となってきます。)
何を | どこへ | いつまでに | |
1 | 保険関係成立届 | 所轄の労働基準監督署 | 保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内 |
---|---|---|---|
2 | 概算保険料申告書 | いずれか ・所轄の労働基準監督署 ・ 所轄の都道府県労働局 ・ 各銀行、郵便局 | 保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内 |
3 | 雇用保険適用事業所設置届 | 所轄の公共職業安定所 (ハローワーク) | 設置の日の翌日から起算して10日以内 |
4 | 雇用保険被保険者資格取得届 | 所轄の公共職業安定所 (ハローワーク) | 資格取得の事実があった日の翌月10日まで |
1.2の監督署での手続き書類をもってハローワークで3.4の手続きをするという流れです。
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