従業員からマイナンバーを集めるとき、法律で義務付けられているのが「本人確認」です。
これは単に身分証を見ることではなく、「番号確認」と「身元確認」の2つをセットで行う決まりになっています。
今回は、入社時のマイナンバー取得を想定して、本人確認の正しいやり方をパターン別にまとめました。
本人確認は「番号確認+身元確認」の2本立て

マイナンバーを取得するときは、次の2つを必ず確認します。
- 番号確認:その12桁が正しい番号であること(マイナンバーカード・住民票の写し(番号入り)などで確認)
- 身元確認:番号の持ち主が本人であること(顔写真付き身分証などで確認)
なぜ2つ必要かというと、「他人の番号を自分の番号として申告する」なりすましを防ぐためです。番号をメモ書きで渡されただけでは取得できない、ということですね。
確認書類の組み合わせパターン

| パターン | 番号確認 | 身元確認 |
|---|---|---|
| ①マイナンバーカードあり | カード1枚でOK(裏面=番号、表面=身元) | |
| ②通知カード+身分証 | 通知カード(氏名・住所が現在と一致している場合のみ有効) | 運転免許証・パスポートなど顔写真付き1点 |
| ③住民票+身分証 | マイナンバー入りの住民票の写し | 運転免許証など顔写真付き1点 |
| ④顔写真付き身分証がない場合 | 上記いずれか | 健康保険の資格確認書・年金手帳など2点 |
実務ではマイナンバーカード1枚のパターン①が一番ラクです。入社案内に「マイナンバーカード(なければ番号入り住民票+免許証)をご用意ください」と書いておくと回収がスムーズになります。
なお、通知カードは廃止されており(令和2年5月)、記載の氏名・住所が現在と一致している場合に限って番号確認書類として使えます。引っ越し・結婚で記載が変わっている人は住民票ルートを案内してください。
取得方法別の確認のやり方

対面で取得する場合
書類の原本を提示してもらい、担当者が確認します。コピーの保管は義務ではありません(確認した記録を残せば足ります)。コピーを取る場合は、それ自体が特定個人情報になるので鍵付き保管の対象になります。
郵送・メールで取得する場合
確認書類の写し(カード両面など)を同封・添付してもらいます。メールの場合はパスワード付きファイルにする、専用の収集フォームを使うなど、平文で番号が飛ばない方法にしてください。
受け取った写しは確認後に廃棄するか、保管するなら施錠管理です。メールで受けた場合は、確認後にメールごと削除する運用が安全です。
扶養家族の分はどうする?
扶養控除等申告書に書く扶養親族のマイナンバーは、従業員本人が家族の本人確認を行う建前なので、会社が家族の身分証まで確認する必要はありません。
例外は国民年金第3号被保険者(被扶養配偶者)の届出で、こちらは配偶者本人からの提出を会社が代理する形になるため、会社が配偶者の本人確認をするのが原則です(委任状による方法もあります)。細かい論点なので、迷ったら年金事務所に確認してください。
確認記録の残し方
後から「ちゃんと確認したのか」を説明できるよう、簡単な記録を残しておきます。Excelの取得管理表に次の列を作っておけば十分です。
- 氏名/取得日/取得方法(対面・郵送など)
- 番号確認書類・身元確認書類の種類
- 確認者(担当者名)
この管理表自体には番号を書かないのがコツです(番号は届出書類・給与システム側だけに存在させ、管理表は「確認の記録」に徹する)。
まとめ
- 本人確認は番号確認+身元確認の2本立て。メモ書きの番号だけでは取得できない
- マイナンバーカード1枚が最速。なければ番号入り住民票+顔写真付き身分証
- 通知カードは記載が現況と一致している場合のみ有効
- 扶養親族の確認は従業員本人が行う(第3号の届出だけ例外)
- 確認の記録は残す。記録表自体には番号を書かない
本人確認のQ&A
- 2年目以降の年末調整でも毎回本人確認が必要?
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不要です。本人確認が必要なのはマイナンバーを「取得するとき」で、一度取得して帳簿管理していれば、以後の年末調整で毎年確認し直す必要はありません。
- マイナンバーカードのコピーは取ってもいい?
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取れますが、裏面(番号面)のコピーは特定個人情報として施錠保管・廃棄管理の対象になります。確認だけして記録を残し、コピーは取らない運用の方が管理が軽くなります。なお表面(顔写真面)だけなら通常の身分証コピーと同じ扱いです。
- リモート入社(完全在宅)の場合はどうする?
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確認書類の画像をセキュアな方法(労務システムの収集機能・パスワード付きファイル)で提出してもらえばOKです。クラウド労務システムにはマイナンバー収集・本人確認の専用機能があるものが多く、在宅入社が多い会社はその利用が現実的です。
- 本人確認をせずに番号だけ聞いてしまった。やり直し?
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はい、確認書類の提示を受けてやり直してください。確認をしないまま法定書類に記載すると、誤った番号や他人の番号を使ってしまうリスクがあります。気づいた時点で確認すれば問題ありません。




