出張から戻った社員が、かかった交通費や宿泊費を精算するときに使うのが「出張旅費精算書」です。新幹線代やホテル代、日当などをまとめて精算する、出張のしめくくりの書類ですね。
普通の経費精算と似ていますが、出張旅費には「日当」という独特の費目があったり、出張旅費規程に沿って金額を出したりと、ちょっとしたコツがあります。区分を分けて書いてもらうのがポイントです。
今回は、出張旅費精算書の書き方と記入例、それから日当や出張旅費規程まわりの注意点をまとめました。これから様式を整える経理担当の方の参考にしてください。
出張旅費精算書とは
出張旅費精算書は、出張でかかった費用(交通費・宿泊費・日当など)を会社に精算してもらうための書類です。出張後に、領収書とあわせて提出してもらいます。
あらかじめ仮払いを受けている場合は、この精算書で過不足を清算します。仮払いの流れについては仮払金の記事で扱っているので、ここでは精算書の中身を中心に見ていきます。
出張旅費精算書に書く項目(記載項目一覧)
出張旅費精算書には、おおむね次のような項目を入れます。
- 氏名・所属・申請日
- 出張期間・出張先・出張目的
- 旅費明細(区分:交通費/宿泊費/日当/その他)
- 各費目の金額・領収書の有無
- 合計額
- 仮払額・差額(仮払いがある場合)
- 承認欄(上長・経理)

ポイントは、費用を区分ごとに分けて書いてもらうことです。交通費・宿泊費・日当・その他をまぜて書くと、後で集計しにくくなります。1行に1つの支払いを書くのが基本ですね。
出張旅費精算書の記入例(文例)

記入例を載せておきます。金額などは架空のものなので、自社の様式に合わせてください。
出張旅費精算書(文例)
申請日 令和 年 月 日
所属 営業部 氏名 山田太郎
出張期間 5/20~5/21(1泊2日)
出張先 大阪 目的 〇〇商談
【旅費明細】
・交通費 新幹線(東京⇔新大阪) 27,600円 領収書あり
・交通費 現地タクシー 2,400円 領収書あり
・宿泊費 〇〇ホテル(1泊) 11,000円 領収書あり
・日当 2日分(2,000円×2) 4,000円 規程による
合計 45,000円
仮払額 50,000円 / 差額 5,000円 → 会社へ返金
上の例のように、区分・内容・金額・領収書の有無を1行ずつ書いてもらえれば問題ないと思います。仮払いがあれば、最後に仮払額と差額を書いて精算します。
日当は領収書がいらない?
日当は実費ではなく、出張中の食事や雑費をまかなうために定額で支給するものなので、領収書は不要です。出張旅費規程で「国内日当 2,000円」のように決めた金額を、そのまま計上します。
出張旅費精算書のテンプレート(無料ダウンロード)
そのまま使える出張旅費精算書のテンプレートを用意しました。社内の様式がまだ決まっていない方は、こちらをベースに使ってください。Excel版は金額の合計が自動計算されます。Word版は印刷してそのまま手書きで記入できます。
- 記入例の会社名・氏名・金額はすべて架空のサンプルです。自社の内容に書き換えてお使いください。
- Excel版は合計が自動計算されます。Word版は印刷してそのまま記入できます。
日当と出張旅費規程について
出張旅費でよく出てくるのが「日当」と「出張旅費規程」です。この2つはセットで考えると分かりやすいです。
日当は非課税にできる

出張の日当は、出張旅費規程に基づく妥当な金額であれば、所得税が非課税になります。実費精算の交通費・宿泊費も同じく非課税です。給与のように課税されないので、本人にも会社にもメリットがありますね。
ただし妥当な範囲を超える高額な日当は、給与として課税される可能性があります。社会通念上、常識的な金額にとどめるのが安全です。
出張旅費規程を作っておく

日当を非課税にするには、その根拠となる出張旅費規程が必要です。規程には、出張の定義(〇km以上・〇時間以上など)、交通機関の利用基準(新幹線はグリーン車可かなど)、宿泊費の上限、役職ごとの日当額などを定めます。
規程があると「誰がいくらまで使えるか」が明確になり、精算する側もチェックが楽になります。日当を出すなら、まず規程を整えるのが先決ですね。
運用するときの注意点
領収書とインボイスを確認
交通費・宿泊費は実費なので、領収書が必要です。消費税の控除のため、インボイス(登録番号付き)かどうかも確認します。新幹線などの公共交通機関は3万円未満ならインボイス不要の特例がありますが、ホテル代は番号付きの領収書をもらってもらいましょう。
仮払いとセットで精算漏れを防ぐ
出張は仮払いを受けてから行くことが多いので、精算書には必ず仮払額と差額を書いてもらいます。精算しないまま仮払金が残ると、決算で使途不明になりやすいので、出張後〇日以内に精算するルールにしておくと安心です。
出張報告書とあわせて提出してもらう
精算書だけだと「本当に業務の出張だったか」が分かりにくいので、簡単な出張報告書をセットで提出してもらう会社も多いです。出張の実態を残しておくと、税務調査でも説明しやすくなります。
出張が多い会社では、精算と仮払い・規程チェックをまとめて、経費精算システム(「freee会計」など)で電子化すると運用が楽になります。
よくある質問(FAQ)
- 日当はいくらが相場ですか?
-
会社や役職によりますが、国内日当は2,000~3,000円程度に設定する会社が多いです。役職が上がるほど高くする例もあります。社会通念上、妥当な範囲であれば非課税にできます。
- 日帰り出張でも日当は出せますか?
-
出せます。出張旅費規程で「日帰り出張の日当〇円」と定めておけば、日帰りでも支給できます。宿泊を伴う場合と金額を分ける会社が多いです。
- 出張旅費規程がなくても日当を出せますか?
-
支給自体はできますが、規程がないと非課税の根拠が弱くなり、給与として課税されるリスクがあります。日当を出すなら、先に出張旅費規程を整えるのがおすすめです。
- 宿泊費に上限を設けてもいいですか?
-
構いません。むしろ「1泊〇円まで」と上限を決めておくのが一般的です。地域差を考えて、都市部だけ上限を上げる会社もあります。規程に明記しておくとトラブルを防げます。
- マイルやポイントが貯まった場合は?
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個人で貯まったマイル・ポイントの扱いは会社のルール次第です。明確な決まりがない会社も多いですが、トラブル防止のため出張旅費規程で扱いを決めておくとよいです。
まとめ
出張旅費精算書は、交通費・宿泊費・日当などを区分ごとに整理して精算する書類です。区分を分けて1行ずつ書いてもらうのが、集計をスムーズにするコツです。
- 区分(交通費/宿泊費/日当/その他)ごとに1行ずつ記入
- 日当は領収書不要・規程に基づく定額。妥当な金額なら非課税
- 日当を出すなら出張旅費規程を先に整える
- 仮払いとセットで精算漏れを防ぐ。領収書はインボイス確認
規程さえ整えておけば、出張旅費の精算はパターン化できて毎回スムーズになります。これから出張旅費の仕組みを整える方の参考になればうれしいです。




