クレーム対応の手順と注意点

「お客様からのクレームの電話を、どう受ければいいのか分からない」。総務や事務担当をしていると、代表電話や受付で、思いがけずクレームの一次対応をすることがあります。慣れていないと、つい焦ってしまうものです。

私もクレームの電話を受けたことがありますが、対応の手順を知っているかどうかで、落ち着き方がまったく違いました。基本の流れと注意点を押さえておけば、初めてでも冷静に対応できますし、クレームをこじらせずに済みます。

今回は、クレーム対応の基本的な手順と、対応時の注意点を整理しました。クレームの一次対応に不安のある方の参考になればうれしいです。

タップできるもくじ

クレーム対応の基本的な考え方

手順に入る前に、クレーム対応の土台となる考え方を押さえておきましょう。

クレームは改善のヒントでもある

クレームは、できれば避けたいものですが、見方を変えれば、会社の商品やサービス、対応の改善につながる貴重な意見でもあります。わざわざ伝えてくれたお客様の声として、まずは真摯に受け止める姿勢が大切です。「クレーム=厄介なもの」と身構えるより、「期待の裏返し」と捉えると、落ち着いて向き合えます。

まずは相手の気持ちを受け止める

クレームを伝えてくる相手は、多くの場合、不満や怒りを感じています。いきなり反論したり言い訳をしたりすると、火に油を注いでしまいます。まずは相手の話を最後まで聞き、不快な思いをさせたことに対してお詫びする。相手の気持ちを受け止めることが、クレーム対応の出発点です。

クレーム対応の手順

クレーム対応の基本手順5ステップの図

クレームには、次のような流れで対応すると落ち着いて進められます。

STEP
話を最後まで聞く

まずは相手の話を、さえぎらずに最後まで聞きます。あいづちを打ちながら、相手が何に困り、何を求めているのかを受け止めます。

STEP
不快にさせたことをお詫びする

不快な思いをさせたことに対して、まずお詫びします。事実関係がはっきりしないうちは、全面的に非を認めるのではなく、不快にさせたこと自体への謝罪にとどめます。

STEP
事実を確認する

いつ、どこで、何が起きたのかを丁寧に確認します。要点をメモしながら、状況を正確に把握します。その場で分からないことは、無理に答えず確認する旨を伝えます。

STEP
解決策を示す

確認した事実をもとに、どう対応するかを伝えます。自分だけで判断できない場合は、上司や担当部署に引き継ぎ、折り返しの連絡時期も伝えます。

STEP
記録し、社内で共有する

対応の内容を記録し、社内で共有します。同じクレームを繰り返さないための改善や、再発防止に役立てます。

電話でのクレーム対応のポイント

電話でのクレーム対応のポイントの図

クレームは電話で受けることが多いので、電話ならではのポイントも押さえておきましょう。

電話では表情が見えないぶん、声のトーンや話し方が印象を左右します。落ち着いた声で、ゆっくり丁寧に話すことを心がけましょう。相手の話にはこまめにあいづちを打ち、きちんと聞いていることを伝えます。自分の担当でない内容や、判断に迷う内容は、無理にその場で答えず、担当者に代わるか、折り返し連絡する旨を伝えます。その際は、相手の連絡先と用件を正確にメモし、引き継ぎ漏れがないようにします。

クレーム対応の注意点

クレーム対応で避けたいNG対応3つの図

対応を誤るとクレームをこじらせてしまうため、注意したいポイントを確認しておきましょう。

感情的にならない・反論しない

相手が強い口調でも、こちらが感情的になってはいけません。言い返したり、相手の言い分を否定したりすると、対立が深まります。まずは冷静に話を聞き、事実を確認することに徹しましょう。相手の主張に事実と異なる点があっても、頭ごなしに否定せず、確認したうえで丁寧に説明する姿勢が大切です。

その場で安易に約束しない

早く収めたい一心で、その場で安易に返金や交換などを約束するのは避けましょう。後から対応できないと分かると、かえって不信感を招きます。自分の権限で判断できないことは、「確認して折り返します」と伝え、社内で検討してから回答します。できることとできないことを、はっきりさせることが大切です。

悪質なクレームは一人で抱え込まない

中には、過剰な要求や、長時間の拘束、暴言を伴う悪質なケースもあります。こうした場合は、一人で抱え込まず、上司や複数人で対応することが大切です。対応の経緯を記録し、必要に応じて専門家や警察に相談することも検討します。理不尽な要求にまで応じる必要はなく、社員を守ることも会社の役割だと考えておきましょう。

まとめ

クレーム対応は、まず相手の話を最後まで聞き、不快にさせたことをお詫びすることから始まります。そのうえで事実を確認し、解決策を示し、対応を記録して社内で共有する、という流れが基本です。クレームは、改善のヒントでもあると前向きに受け止めましょう。

対応では、感情的にならず反論しないこと、その場で安易に約束しないことが大切です。悪質なケースは一人で抱え込まず、上司や複数人で対応し、社員を守ることも忘れないようにしましょう。手順と注意点を押さえておけば、初めてのクレームでも落ち着いて対応できます。

よくある質問

クレームの電話を受けたら、最初に何をすればいいですか?

まずは相手の話を、さえぎらずに最後まで聞くことが大切です。あいづちを打ちながら、何に困っているのかを受け止めましょう。そのうえで、不快な思いをさせたことにお詫びします。いきなり反論したり言い訳をしたりすると、相手の感情を逆なでしてしまうので注意しましょう。

自分の担当ではないクレームを受けたらどうすればいいですか?

無理にその場で答えようとせず、担当者に代わるか、折り返し連絡する旨を伝えましょう。その際は、相手の連絡先と用件、これまでの経緯を正確にメモし、担当者へ引き継ぎます。「分かる人に確認してご連絡します」と伝えるだけでも、相手は安心します。引き継ぎ漏れがないよう注意しましょう。

こちらに非がない場合でも謝るべきですか?

事実関係がはっきりしないうちは、全面的に非を認める必要はありませんが、不快な思いをさせたこと自体へのお詫びはしておくとよいでしょう。「ご不便をおかけして申し訳ございません」といった形であれば、責任を認めることにはなりません。そのうえで事実を確認し、必要に応じて丁寧に説明する流れが適切です。

悪質なクレームにはどう対応すればいいですか?

過剰な要求や暴言を伴う悪質なケースでは、一人で抱え込まず、上司や複数人で対応することが大切です。対応の経緯を記録し、理不尽な要求にまで応じる必要はありません。状況によっては、専門家や警察に相談することも検討しましょう。社員を守ることも会社の大切な役割です。

クレーム対応のマニュアルは作ったほうがいいですか?

作っておくと、誰が対応しても一定の品質を保て、担当者の負担も減ります。基本の手順や、よくあるクレームへの対応例、エスカレーション(上司への引き継ぎ)の基準などをまとめておくとよいでしょう。実際の対応で得た記録をもとに、内容を更新していくと、より実用的なマニュアルになります。

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