「決算整理まで終わったが、ここから決算書にするにはどうすればいいのだろう」。経理や総務として決算に関わると、試算表と決算整理をつなぎ、決算書へ仕上げる段階で、精算表という表に出会います。決算の全体を見渡せる便利な道具です。
私も決算に取り組んできましたが、精算表を作ると、決算整理が決算書にどう反映されるのかが一目で分かり、最終確認がぐっと楽になりました。会計ソフトを使う場合でも、仕組みを知っておくと、出てきた数字をきちんとチェックできます。
今回は、精算表とは何かという基本と、その構成や作り方、そして決算書の最終確認のポイントを整理しました。決算を仕上げたい方の参考になればうれしいです。
精算表とは?
精算表の役割
精算表とは、決算整理前の試算表に、決算整理の内容を加えて、損益計算書と貸借対照表へとまとめる流れを、一つの表で示したものです。試算表から決算書までの橋渡しをする道具といえます。決算整理が決算書にどう影響するかを一覧で確認でき、計算の途中でミスがないかをチェックするのに役立ちます。
試算表・精算表・決算書の違い
似ているようで役割が異なる、3つの書類を整理しておきましょう。

| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 試算表 | 転記が正しいかを確認する、決算整理前の集計表 |
| 精算表 | 試算表に決算整理を加え、決算書へまとめる作業表 |
| 決算書 | 確定した損益計算書・貸借対照表などの最終成果物 |
試算表で日々の記録を確認し、精算表で決算整理を反映させ、決算書として仕上げる、という流れになります。
精算表の構成(8桁精算表)
よく使われるのが、8桁精算表と呼ばれる形式です。勘定科目ごとに、横方向に金額を記入していきます。
| 欄 | 内容 |
|---|---|
| 試算表(借方・貸方) | 決算整理前の各科目の残高 |
| 修正記入(借方・貸方) | 決算整理仕訳の金額 |
| 損益計算書(借方・貸方) | 費用・収益の科目を集める |
| 貸借対照表(借方・貸方) | 資産・負債・純資産の科目を集める |
「試算表」「修正記入」「損益計算書」「貸借対照表」の4つの欄が、それぞれ借方・貸方に分かれるため、合計で8つの列になります。これが8桁精算表の名前の由来です。
精算表の作り方
作成の手順
精算表は、次のような手順で作成します。

決算整理前の各科目の残高を、試算表の欄(借方・貸方)に記入します。借方合計と貸方合計が一致していることを確認します。
棚卸、減価償却、引当金、経過勘定などの決算整理仕訳を、修正記入の欄(借方・貸方)に記入します。新しく出てくる科目は欄を追加します。
試算表の金額に修正記入を加減した後の金額を、費用・収益なら損益計算書欄、資産・負債・純資産なら貸借対照表欄へ記入します。
損益計算書欄の貸借差額が当期純利益(または当期純損失)です。同じ金額が貸借対照表欄にも反映され、両方の欄の借方・貸方が一致すれば完成です。
貸借が一致しないときのチェックポイント
精算表の貸借が合わないときは、どこかに計算や転記のミスがあります。よくある原因は、修正記入の借方と貸方の金額違い、損益計算書欄と貸借対照表欄への振り分け間違い、金額の写し間違いです。差額を2で割った数字に見覚えがあれば、貸借を逆に記入している可能性があります。一つずつ落ち着いて確認していきましょう。

決算書の最終確認
確認すべきポイント
精算表ができたら、その内容をもとに決算書を作成し、最終確認を行います。チェックしたいのは、貸借対照表の借方と貸方の合計が一致しているか、損益計算書の利益と整合しているか、前期と比べて大きく不自然に動いた科目がないか、といった点です。前年同期と並べて見ると、計上漏れや誤りに気づきやすくなります。
確定する前のチェック
決算書は、いったん確定すると、税務申告や対外的な報告の基礎になります。そのため、確定前のチェックが大切です。各勘定の残高に不自然なマイナスがないか、決算整理に漏れや二重計上がないか、根拠となる資料がそろっているかを確認しましょう。判断に迷う処理があれば、確定する前に顧問の税理士に相談しておくと安心です。
まとめ
精算表とは、試算表に決算整理を加えて、損益計算書と貸借対照表へまとめる流れを一覧にした作業表です。8桁精算表では、試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表の各欄に金額を振り分け、当期純利益を計算して締めます。決算書ができたら、貸借の一致や前期比較で最終確認を行いましょう。確定前のチェックを丁寧に行い、迷うところは専門家に相談しながら、決算を仕上げていきましょう。
よくある質問
- 試算表と精算表は何が違うのですか?
-
試算表は、日々の記帳が正しく転記されているかを確認するための、決算整理前の集計表です。精算表は、その試算表に決算整理の内容を加えて、損益計算書と貸借対照表へまとめていく作業表です。試算表が「途中経過の確認」、精算表が「決算書への仕上げ作業」と考えると分かりやすいでしょう。精算表を作ると、決算の全体像が一覧で見渡せます。
- 会計ソフトを使う場合でも精算表は必要ですか?
-
会計ソフトを使えば、決算整理を入力すると決算書まで自動で作成されるため、手作業で精算表を書く必要はない場合が多いです。ただし、精算表の仕組みを知っておくと、ソフトが出した数字が正しいかをチェックでき、エラーにも気づきやすくなります。仕組みを理解したうえでソフトを活用するのがおすすめです。
- 8桁精算表の「8桁」とは何を指しますか?
-
精算表には、試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表の4つの欄があり、それぞれが借方と貸方に分かれます。4つの欄が2列ずつなので、合計で8つの列になります。この列の数から、8桁精算表と呼ばれます。各列に金額を順に記入し、最後に貸借が一致すれば、計算が正しくできたことの確認になります。
- 精算表の貸借が合わないときはどうすればいいですか?
-
まず、修正記入欄の借方と貸方の合計が一致しているかを確認します。次に、各科目を損益計算書欄と貸借対照表欄へ正しく振り分けているか、金額を写し間違えていないかを見直します。差額を2で割った金額に心当たりがあれば、借方と貸方を逆に書いている可能性があります。あわてず、一つずつ確認していくのがコツです。
- 決算書を確定する前に何を確認すればいいですか?
-
貸借対照表の借方と貸方の合計が一致しているか、損益計算書の利益と整合しているかをまず確認します。あわせて、各勘定の残高に不自然なマイナスがないか、決算整理の漏れや二重計上がないか、根拠資料がそろっているかも見ておきましょう。前期と並べて比較すると、異常な動きに気づきやすくなります。迷う処理は確定前に税理士へ相談すると安心です。




