新入社員研修の進め方と受け入れ準備

採用が決まり、いよいよ新しい人が入社してくる——うれしい反面、「何を準備すればいいんだろう」「どんな研修をすればいいのかな」と、受け入れる側にも悩みは多いものです。せっかく採用した人に長く活躍してもらうには、最初の受け入れと研修がとても大切です。

私も総務で新入社員の受け入れを担当しますが、準備が不十分だと初日からバタバタしてしまい、新人を不安にさせてしまいます。逆に、しっかり準備しておくと、新人も気持ちよくスタートを切れます。

今回は、入社前の受け入れ準備と、新入社員研修の進め方を整理しました。これから新人を迎える方が、安心して受け入れられるよう参考にしてください。

なお、募集から内定・入社までの採用全体の流れは求人〜採用など<入社前の手続・準備>でまとめているので、あわせてご覧ください。

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新入社員の受け入れとは?全体像

まずは、新入社員の受け入れにどんな要素があるのかを整理しておきましょう。やることを分けて考えると、準備が進めやすくなります。

受け入れ準備と新人研修の2本柱

新入社員の受け入れは、大きく「受け入れ準備」と「新人研修」の2つに分けられます。受け入れ準備は、入社日までに席や備品、初日の段取りを整えること。新人研修は、入社後に仕事や会社のルールを教えていくことです。この2つをしっかり行うことで、新人がスムーズに職場になじめます。

入社手続き(社保・書類)は別途必要

受け入れ準備や研修とは別に、社会保険の加入や書類の回収といった入社手続きも必要です。これらの事務手続きは、入社後の手続き・準備の記事で詳しくまとめているので、あわせて確認してください。本記事では、受け入れ態勢づくりと研修に絞って解説します。

受け入れ態勢が早期離職を左右する

入社直後は、新人がもっとも不安を感じる時期です。受け入れがおろそかだと、「歓迎されていないのかな」と感じ、早期離職につながることもあります。最初の受け入れ態勢が、その後の定着を大きく左右すると考えて、丁寧に準備しましょう。

入社前の受け入れ準備

新人が気持ちよくスタートできるよう、入社日までに準備しておきたいことを整理します。直前で慌てないよう、早めに進めておきましょう。

席・PC・備品・各種アカウントの用意

まず、新人が働くための環境を整えます。デスクと椅子、パソコン、文房具などの備品、業務に使うシステムのアカウントやメールアドレスなどを、入社日までに用意しておきます。初日にパソコンが使えない、席がない、といった状態は新人を不安にさせるので、前もって準備しておきましょう。

初日のスケジュールと配付物の準備

初日に何をするか、スケジュールを決めておきます。オリエンテーション、社内案内、各部署への挨拶など、流れを組んでおくと当日スムーズです。あわせて、就業規則や業務マニュアル、社員名簿など、初日に渡す資料も準備しておきましょう。受け入れる側の段取りができていると、新人も安心します。

教育担当(メンター)を決める

新人が困ったときに相談できるよう、教育担当(メンター)を決めておきます。担当が決まっていないと、新人は誰に聞けばいいか分からず、孤立しがちです。年齢の近い先輩を相談役にするなど、気軽に質問できる相手を用意しておくと、新人の不安が和らぎます。

新入社員研修の種類と内容

受け入れ準備が整ったら、次は研修です。新入社員研修にはいくつかの形があり、組み合わせて行うのが一般的です。

研修の種類主な内容
導入研修会社のルール・理念、ビジネスマナーなどの基礎
OJT実際の業務を通じて、先輩が指導する
OFF-JT業務を離れて行う集合研修・外部研修

導入研修(会社ルール・ビジネスマナー)

導入研修は、入社後すぐに行う基礎的な研修です。会社の理念やルール、就業規則の説明、電話応対や名刺交換といったビジネスマナーなどを教えます。仕事を始める前の土台づくりとして、最初に行うことが多いです。

OJT(実務を通じた指導)

OJTは、実際の業務を通じて先輩が指導する方法です。仕事をしながら覚えられるので、実践的な力が身につきやすいのが特徴です。多くの会社で、新人教育の中心になります。教える側の負担も大きいので、誰がどこまで教えるかを決めておくとうまくいきます。

OFF-JT(集合研修・外部研修)

OFF-JTは、業務を離れて行う研修です。社内での集合研修や、外部のセミナー・研修への参加などがあります。体系的に知識を学べるのが利点で、新人が複数いる場合はまとめて行うと効率的です。研修の全体的な設計や種類については、社員教育・研修制度を扱った記事も参考になります。

新入社員研修の進め方

研修は、計画を立てて段階的に進めるのがポイントです。大まかな流れは次のとおりです。

STEP
研修計画を立てる

いつ・何を・誰が教えるかを決め、研修の計画を作ります。ゴール(いつまでに何ができるようになるか)を決めると、教える側も進めやすくなります。

STEP
初日にオリエンテーションを行う

初日は会社の説明や職場の案内、メンバー紹介などを行います。歓迎の気持ちを伝え、新人の緊張をほぐすことを意識します。

STEP
OJTで実務を教える

教育担当が中心になり、実際の業務を教えていきます。いきなり任せず、簡単な仕事から段階的にステップアップさせます。

STEP
フォロー面談で不安を解消する

定期的に面談の場を設け、困っていることや不安を聞き取ります。早めに不安を解消することで、定着につながります。

受け入れ・研修で気をつけたいこと

準備と研修の流れを押さえたうえで、新人が定着するために大切な心がけも確認しておきましょう。

放置しない・気軽に質問できる雰囲気づくり

もっとも避けたいのは、新人を放置してしまうことです。仕事を与えただけでフォローがないと、新人は何をすればいいか分からず孤立します。「分からないことは何でも聞いてね」と声をかけ、気軽に質問できる雰囲気を作りましょう。教育担当だけでなく、職場全体で見守る姿勢が大切です。

早期離職を防ぐフォローと「できたこと」を認める

入社して間もない時期は、ちょっとしたことで「自分には合わないかも」と感じやすいものです。こまめに声をかけ、できるようになったことをきちんと認めると、新人の自信とやる気につながります。できないことを指摘するばかりでなく、成長を一緒に喜ぶ姿勢が、早期離職を防ぎます。

研修にまつわる労務の注意点

新入社員研修では、労務の面でも気をつけたい点があります。トラブルを防ぐために押さえておきましょう。

研修時間も労働時間=賃金が発生する

会社の指示で参加する研修は、原則として労働時間にあたり、賃金の支払いが必要です。「研修だから給与は出ない」という扱いはできません。所定の勤務時間を超えて研修を行えば、残業代も発生します。研修も仕事の一環であることを忘れないようにしましょう。

外部研修などの費用を会社が負担する場合、「すぐ辞めたら費用を返してもらう」という取り決めは、内容によっては無効になることがあります。費用の返還を求める仕組みを作る場合は、慎重に検討し、必要に応じて社会保険労務士や弁護士に相談しましょう。

まとめ

新入社員の受け入れは、入社前の準備と、入社後の研修の2本柱で考えると進めやすくなります。席や備品、初日の段取り、教育担当を整え、導入研修・OJT・OFF-JTを組み合わせて、段階的に育てていきましょう。

大切なのは、新人を放置せず、気軽に質問できる雰囲気を作り、できたことを認めることです。最初の受け入れ態勢が、その後の定着を大きく左右します。研修時間は労働時間にあたり賃金が発生する点など、労務面の注意も押さえつつ、新しい仲間が気持ちよくスタートできる環境を整えましょう。

よくある質問

受け入れ準備はいつから始めればいいですか?

採用が決まり、入社日が確定したら早めに始めるのが安心です。パソコンやアカウントの用意には時間がかかることもあるので、遅くとも入社の一週間前までには席・備品・初日のスケジュール・教育担当を整えておきましょう。直前で慌てると準備漏れが起きやすくなります。

新入社員研修の期間はどのくらいが目安ですか?

会社や職種によって大きく異なります。導入研修は数日から一週間程度、その後のOJTは数か月かけて行うことが多いです。大切なのは期間の長さより、ゴールを決めて段階的に育てることです。新人の習熟度を見ながら、無理のないペースで進めましょう。

OJTとOFF-JTはどう使い分ければいいですか?

実務の進め方や具体的なスキルはOJTで、会社のルールやビジネスマナーなど体系的に学ぶ内容はOFF-JTで、と使い分けるとよいでしょう。両方を組み合わせることで、実践力と基礎知識の両方が身につきます。新人が複数いる場合は、共通する内容をOFF-JTでまとめて行うと効率的です。

研修中も給与を払う必要がありますか?

会社の指示で参加する研修は、原則として労働時間にあたるため、給与の支払いが必要です。「研修だから無給」という扱いはできません。所定の勤務時間を超えて研修を行った場合は、残業代も発生します。研修も仕事の一環として、適切に賃金を支払いましょう。

教育担当(メンター)はどんな人を選べばいいですか?

新人が相談しやすい人を選ぶのがポイントです。仕事ができることに加え、面倒見がよく、年齢や立場が近い先輩だと、新人も気軽に質問できます。一人に負担が集中しないよう、職場全体でサポートする体制も整えておくと、教育担当も無理なく続けられます。

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