勘定式と報告式の違い・決算書と簿記のつながり

決算書を見ていると、「同じ貸借対照表なのに、左右に分かれている形と、上から縦に並んでいる形がある」と気づくことがありますよね。これは「勘定式」と「報告式」という2つの表示方法の違いです。

表示の形が違うだけで中身は同じなのですが、それぞれ使われる場面が異なります。あわせて、日々の簿記が決算書にどうつながっているのかを理解しておくと、経理の全体像がすっきり見えてきます。

この記事では、勘定式と報告式の違いと、決算書と簿記のつながりを、経理の初心者向けにやさしく整理してみました。簿記から決算書までの流れを総まとめする参考にしてみてください。

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勘定式と報告式とは

勘定式と報告式の表示方法の違い比較図

勘定式と報告式は、決算書(貸借対照表や損益計算書)の表示のしかたの違いです。どちらも内容は同じで、見せ方が違うだけです。

勘定式=左右に分けて表示

勘定式は、左側(借方)と右側(貸方)に分けて表示する形式です。貸借対照表なら、左に資産、右に負債と純資産を並べます。左右が一致する様子が見た目でわかりやすく、簿記の構造をそのまま反映した形です。

報告式=上から縦に表示

報告式は、上から下へ縦に項目を並べて表示する形式です。損益計算書なら、売上高から順に費用を引いて利益を計算する過程が、上から下に追えます。段階的な計算の流れがわかりやすく、分析にも向いています。

項目勘定式報告式
表示の向き左右に分ける上から縦に並べる
わかりやすい点左右の一致が見える計算の流れが追える
よく使う場面社内資料・簿記の学習有価証券報告書など対外的な書類

どちらの形式でも、表している中身は同じです。場面によって見やすい形が使い分けられている、と理解しておけば大丈夫です。

決算書と簿記のつながり

決算書は、ある日突然できるものではなく、日々の簿記の積み重ねからできあがります。その流れを押さえておきましょう。

取引から決算書までの流れ

日々の取引が決算書になるまでは、次のような流れをたどります。一つひとつの作業がつながって、最後に決算書ができあがります。

  • 取引の発生……商品の売買や経費の支払いなど
  • 仕訳……取引を借方・貸方に分けて仕訳帳に記録
  • 転記……仕訳を総勘定元帳へ書き写す
  • 試算表の作成……科目ごとの残高を集計し、貸借が合うか確認
  • 決算整理……減価償却や在庫の調整などを行う
  • 決算書の作成……貸借対照表・損益計算書をつくる

日々の仕訳が決算書の土台になる

この流れからわかるように、決算書のもとになっているのは、日々の一つひとつの仕訳です。仕訳が正確でなければ、その先の試算表も決算書も正しくなりません。地味に見える日々の仕訳が、最終的な決算書の正確さを支えている、というわけですね。

【ポイント】決算整理を忘れると決算書が正しくならない

試算表ができたら、そのまま決算書になるわけではありません。減価償却費の計上や在庫(売れ残り)の調整、未払い・前払いの整理などの「決算整理」を経て、はじめて正しい決算書になります。日々の仕訳に加えて、この決算整理も大切な作業です。

会計ソフトと決算書

会計ソフトが自動化する範囲と人が行う入力の図

今は会計ソフトを使えば、仕訳を入力するだけで、転記・試算表・決算書まで自動的に作成されます。勘定式・報告式の切り替えができるソフトも多くあります。とても便利ですが、もとになる仕訳が間違っていれば、決算書も間違ってしまいます。ソフト任せにせず、簿記の流れと決算書のつながりを理解しておくことが、正確な決算書づくりのカギになります。判断に迷う処理は、顧問税理士に確認すると安心ですね。

勘定式・報告式と決算書に関するよくある質問(FAQ)

勘定式と報告式はどちらを使えばいいですか?

場面によって使い分けます。勘定式は左右の一致が見えやすく、社内資料や簿記の学習に向いています。報告式は計算の流れが上から追えるため、有価証券報告書など対外的な書類で多く使われます。どちらも中身は同じなので、用途に合わせて見やすい形式を選べば問題ありません。会計ソフトでは切り替えられることが多いです。

勘定式と報告式で中身は変わりますか?

変わりません。勘定式と報告式は表示のしかた(見せ方)の違いだけで、表している内容は同じです。たとえば貸借対照表なら、勘定式でも報告式でも、資産・負債・純資産の金額は同一です。見た目が違うだけなので、どちらの形式でも数字の意味は同じように読み取れます。

決算書はどうやって作られるのですか?

日々の取引を仕訳し、総勘定元帳へ転記して、試算表で集計します。その後、減価償却や在庫の調整などの決算整理を経て、貸借対照表や損益計算書を作成します。決算書は、日々の簿記の積み重ねからできあがるものです。会計ソフトを使えば、仕訳の入力から決算書まで自動的に作成できます。

決算整理とは何ですか?

期末に、正しい決算書を作るために行う調整作業のことです。減価償却費の計上、売れ残った在庫の調整、未払い・前払いの費用の整理などが含まれます。試算表をそのまま決算書にするのではなく、決算整理を行うことで、その期の正しい財産と利益が計算できます。決算の重要な工程のひとつです。

会計ソフトがあれば簿記を理解しなくても大丈夫ですか?

会計ソフトは転記や集計、決算書の作成を自動化してくれますが、もとになる仕訳の入力は人が行います。仕訳が間違っていれば決算書も誤ってしまうため、簿記の流れと決算書のつながりを理解しておくことが大切です。仕組みがわかっていれば、数字のチェックや誤りの発見もしやすくなります。

勘定式と報告式は決算書の表示方法の違いで、勘定式は左右に分ける形、報告式は上から縦に並べる形ですが、中身は同じです。そして決算書は、「取引→仕訳→転記→試算表→決算整理→決算書」という日々の簿記の積み重ねからできあがります。会計ソフトが自動化してくれる今だからこそ、この流れを理解しておくと、正確な経理につながりますよ。

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