見積書の書き方と記入例

見積書は、受注前に「この内容なら、この金額でやります」と提示する書類です。

取引の入口になる書類なので、ここで条件を曖昧にすると、後の「言った言わない」トラブルがすべてここに返ってきます。

今回は、見積書の書き方を記入例つきで解説します。テンプレート(Excel・Word)も配布しているので、様式をお持ちでない方はそのまま使ってください。

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見積書とは(役割と法的な位置づけ)

商談の流れの中での見積書の位置づけを示す図

見積書は「見積条件どおりなら受注します」という意思表示で、相手が承諾(発注)すれば契約が成立し得る書類です。発行義務はありませんが、金額・範囲・納期の合意を残す実務上の要になります。

だからこそ、金額だけでなく「何が含まれて、何が含まれないか」「いつまで有効か」を書き切ることが大事です。

見積書の記入例・書き方

上の例のように書いてもらえれば、問題ないと思います。項目ごとのポイントです。

基本項目の書き方

  • 宛先:正式名称+「御中」(担当者宛なら「様」)
  • 見積番号・発行日:改訂のたびに枝番(-02など)を振ると版管理がラク
  • 有効期限:「発行日より○か月」など必ず入れる(後述)
  • 件名:「○○一式」ではなく案件が特定できる名称に
  • 明細:品名・数量・単価・金額。作業系は「何人日」「何式」の根拠が分かる粒度で
  • 小計・消費税・合計:税率区分を明記。「御見積金額」として合計を目立つ位置に
  • 備考:納期・支払条件・含まれない作業(除外事項)・諸経費の扱い

トラブルを防ぐ備考欄の書き方

見積トラブルの大半は「含まれていると思った」のすれ違いです。備考欄に次のような除外・条件を明記しておくと、自分を守れます。

  • 「本見積に○○(配送費・設置費・修正2回目以降など)は含まれません」
  • 「納期:ご発注後○週間」(発注日起算にする)
  • 「お支払条件:納品月末締め・翌月末払い」
  • 「仕様変更が生じた場合は再見積いたします」

見積書のテンプレート(無料ダウンロード)

当サイトで作成した見積書テンプレートです。社名・ロゴを差し替えてそのまま使えます。

Excel版は明細の計算式と消費税の自動計算入り、Word版はレイアウト調整しやすいシンプル版です。

実務で迷いやすいポイント

見積書の基本項目と備考欄の書き方を示す図

有効期限はどう決める?

2週間〜3か月の範囲で、価格変動リスクに応じて決めます。仕入価格が動きやすい商材は短め(2週間〜1か月)、人件費中心のサービスは長め(1〜3か月)が目安です。

有効期限には「古い単価のまま受注してしまう」のを防ぐ意味があるので、期限切れ後に発注が来たら、形式的にでも再見積(日付と番号を更新)を出すのが安全です。

値引きはどう見せる?

明細の最後に「お値引き」としてマイナス行を入れるのが定番です。単価を直接下げるより、定価と値引き額が見える方が相手の社内稟議も通りやすくなります(先方の担当者が上司に説明しやすいので)。

見積書に印紙・インボイス番号は必要?

どちらも不要です。見積書は印紙税の課税文書ではなく、収入印紙は要りません。インボイス(適格請求書)の登録番号も、見積段階では記載義務はありません(記載しておくと親切ではあります)。

なお、発行した見積書の控えも税法上の書類として原則7年保存します。改訂版を出した場合は最終版だけでなく経緯が分かるように残しておくと、後で「どの条件で合意したか」を追えます。

まとめ

  • 見積書は契約の入口。金額より「含まれる範囲・条件」を書き切ることが大事
  • 有効期限・納期・支払条件・除外事項を備考に明記してトラブルを防ぐ
  • 改訂は枝番で版管理。期限切れ後の発注は再見積で受ける
  • 収入印紙・インボイス番号は不要。控えは7年保存

見積書のQ&A

概算見積と正式見積はどう使い分ける?

要件が固まる前に出す概算は「概算見積(参考価格)」と明記し、正式見積で置き換える前提にします。概算のつもりが正式扱いされて値上げできなくなるのが典型トラブルなので、表記で区別しておくことが大切です。

見積書の作成は無料で当然?

商慣習としては無料が一般的ですが、設計・調査を伴う見積(建築・システムなど)は有償見積も普通にあります。有償にする場合は、依頼を受ける前に費用が発生する旨を伝えて合意を取ってください。

相見積もりで他社の金額を聞かれたら?

答える義務はありませんし、他社の見積内容を聞き出して調整するような行為は避けるべきです。自社の見積根拠(数量・工数・品質)を説明できるようにしておく方が、結果的に強い見積になります。

口頭やメール本文だけの見積でもいい?

契約自体は口頭でも成立しますが、条件の証拠が残らないのでおすすめしません。急ぎならメール本文で金額・範囲・期限を箇条書きにし、後から見積書PDFを送る二段構えが現実的です。

発注書をもらわずに作業を始めてもいい?

避けた方がいいです。見積書への承諾(発注書・注文メールなど)をもらってから着手するのが原則です。「見積を出したら音沙汰なく、納品後に頼んでいないと言われた」という事故は実際にあります。

参考リンク

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