人事考課規程のひな形・フォーマット~ご自由にお使いください~

人事考課制度を作るにあたり、人事考課規定を作成しました。参考になれば幸いです。

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人事考課規程サンプル

第1節 総則

(目的)
第1条 この規程は、従業員の人事考課に関する事項を規定したものである。

(規程の意義)
第2条 この規程は従業員の職務要件を定め、一定期間の実績、能力及び業務態度を考課し、これに基づいて給 
与、賞与、退職金、昇格、配置及び教育訓練の適正化をはかり、人事管理の公正かつ民主的な運営を促進し、もって会社の 経営能率の向上を図ることを目的とする。

第2節 人事考課

(人事評価シート)
第3条 人事考課は、部門ごとに作成した人事評価シートに応じて行う。
2 人事評価シートは、会社の目標、会社の期待する仕事、能力及び業務態度の水準と従業員自ら立て   た目標またはチェック項目により評価項目が決定する。

(考課の時期及び期間)
第4条 考課の時期、期間及び考課によって適用する内容は以下の通りとする。( )内は、パート・アルバイトに適用する。なお、第1回・第2回の合計評価はパート・アルバイトには行わないものとする。
回数 考課期間 考課面接 適用
第1回 10月1日~翌年3月末日 5月上旬
(4月上旬) 夏季賞与
(給与改定)
第2回 4月1日~9月末日 11月上旬
(10月上旬) 冬季賞与
(給与改定)
   第1回、第2回合計評価 昇給、昇格、配置改定
2 前項の考課期間の出勤率が8割に満たない場合は、考課面接を行わない。

(考課面接)
第5条 上長は自己の管理する全ての従業員に関して、考課面接を実施する。従業員は決められた時期に自己の所属する部門の上長の考課面接を受けるものとする。
2 考課面接は、考課期間における各従業員の評価と次期考課期間での課題を明らかにする為に行う。
3 考課面接の際に、上長は部門ごとに作成した人事評価シートに応じて、考課期間における各従業員の評価を記入する。
4 従業員の評価はS、A、B、C、Dの5段階とする。
5 上長が不在部門に関しては、会社の指定する者がこれを代行する。

(考課者の態度)
第6条 考課者は考課面接を公正かつ妥当に行う為、以下の各号に挙げる事項を遵守し、公正な態度で評価しなければならない。
(1)日常の観察と指導によって得た具体的な事実に基づいて、自ら確認し公正に評価すること。
(2)被考課者に対する嫌悪、同情及び偏見に左右されること無く、また上司に対する妥協、 部下への思惑を排除して、信念に基づく評価を行わなければならない。
(3)評価対象外の時期における事実や成績にとらわれて評価してはならない。
(4)考課者は自己の下した評価を参考に、被考課者の短所を矯正し、能力を伸ばすように管理、指導しなければならない。

(考課の判定)
第7条 上長が取りまとめて、社長へ提出する。

第3節 賃金・賞与の決定

(等級)
第8条 従業員はその職務における職責に応じて以下の各等級に区分し、各等級の定義は別記の通りとする。
S スタッフ
L リーダー
E エキスパート
M マネージャー

(ランク)
第9条 各等級は各人の能力によって3段階に区分する。

(昇格の条件)
第10条 等級が上がることを昇格という。昇格の為の条件は以下の各号の通りとし、翌年から新しい等級に昇格する。
(1)2年連続、年間の成績がS評価だった場合
(2)同一等級期間中、4回以上、年間の成績がA評価以上だった場合

(昇格の決定)
第11条 昇格の条件を満たした者は、社長の面接を受けなければならない。
2 昇格に関しては、社長面接の応対に基づいて、人事委員会で決定する。

(降格)
第12条 等級が下がることを降格という。降格の条件は以下の各号の通りとする。
(1)2年連続、年間の成績がD評価だった場合
(2)同一等級期間中、4回以上、年間の成績がD評価だった場合
2 降格は人事考課の決定に基づいて、人事委員会で決定する。
3 降格の場合、降格後の基本給の額は、降格前の基本給の額を上回らないものとし、会社が決定する。

(基本給の改定)
第13条 各等級の基本給は、原則として、1年に1度S、A、B、C、Dのいずれかに決定する。
2 基本給が各等級の上限に到達した者は、昇給は行わない。
3 退職の事由に関わらず、翌年の退職が決定している者は、昇給は行わない。

(基本給の改定の例外)
第14条 就業規則第○○条に該当した場合は、考課期間の評価を一段階下げる。
2 就業規則第○○条に該当した場合は、考課期間の評価を二段階下げる。

(賃金テーブルの書替)
第15条 賃金表は、会社の業績その他環境の変化等を勘案して見直すものとする。

(賞与額の計算)
第16条 人事考課に基づいた賞与の額は以下の計算に基づいて支払う。
基本給1か月分 + 人事考課連動部分

第4節 雑則

(中途入社の取扱い)
第17条 新規に採用した従業員の等級に関しては、採用時に個別に決定する。
2 採用時に決定した新規に採用した従業員の等級は、試用期間中の実務実績により、試用期間満了時
に変更する場合がある。
3 新規に採用した従業員の昇給、配置、教育に関しては、第4条第1項の期間における在籍期間が8割以上となる場合、考課の対象とする。ただし、在籍期間が8割以上であっても、考課期間中に入社した場合の評価は、原則としてA、B、C、Dの4段階とする。

(部署異動の取扱い)
第18条 従業員が第4条第1項の期間中に部署異動があった場合、原則として在籍期間が長い部署にて考課を行うものとする。ただし、異動前後の各部署における在籍期間に差がない場合は、異動後の上司と従業
員の本人が協議の上、異動後の部署での考課を行って良いものとする。

(秘密保持)
第19条 考課の内容に関して、会社はみだりに公表しない。考課者及び被考課者も同様とする。

(主管)
第20条 この規程に関する主管は総務部とする。

(改廃)
第21条 この規程の改廃は、取締役会にて決定する。

(付則)
この規程は、令和6年4月1日から施行する。

別表1(等級の種類および役割定義)

等級の種類および役割定義
(マネージャー) 管理職の役割。会社全体の業績への貢献が求められる。各部署横断の経営戦略、経営計画の立案に参画し、自部署に対しての業績や人材の育成を実現していく知識・スキルなどのマネジメント能力が必要とされる。会社の中で最大の裁量と責任を担う。
(リーダー) リーダーの役割。経営者・上位管理職からの方針や計画を主体的に理解・実施し、組織としての成果を出すことと自身の成績での貢献が求められる。自組織を引っ張るリーダーシップと、担当業務を遂行するための上位の知識・技能が必要とされる。裁量と責任においては、M等級の次の中位となる。
(エキスパート) 専門職の役割。組織や部下を持たずに、自身で出していく成果とパフォーマンスの発揮により、会社に貢献することが求められる。会社の中で最上位の知識・スキルを有し、自身での発揮のみにとどまらず、周りへの教育・指導により全体の技術力UPにつなげることができる。裁量と責任においては、ある程度制限された範囲となる。
(スタッフ) 一般スタッフの役割。上司からの指示を元に、通常業務を遂行し、限定された範囲の業務において作業量および内容の正確性を求められる。原則として裁量はなく、責任においても自身の作業内容に限定された範囲となる。

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