「うちには総務部がないけれど、大丈夫だろうか」。小規模な会社では、専任の総務担当者を置かず、社長や事務担当が片手間で総務をこなしている、というケースは珍しくありません。
私も少人数の会社で総務を兼任していた経験がありますが、専任がいなくても、備品の手配や書類の管理、各種手続きといった「総務の仕事」は必ず発生します。誰かがやらなければ、会社は回りません。だからこそ、限られた人数でどう総務機能を担うかを考えておくことが大切です。
今回は、総務部がない会社がどう対応すればよいか、小規模企業ならではの総務機能の持ち方を整理しました。専任の総務がいない会社で、何とか業務を回している方の参考になればうれしいです。
総務部がなくても総務の仕事はなくならない
まず押さえておきたいのは、総務部という「部署」がなくても、総務の「業務」自体はなくならないということです。

部署がなくても発生する総務業務
備品の発注、オフィスの管理、契約書や社内文書の保管、来客・電話対応、社会保険や行政への手続き。これらは、会社がある限り必ず発生する業務です。専任の総務部がなくても、こうした仕事は誰かが担う必要があります。「総務部がない=総務の仕事がない」ではなく、「総務の仕事を、別の誰かがやっている」というのが正しい理解です。
放置すると会社にリスクが生じる
総務業務をきちんと担う人がいないと、会社にさまざまなリスクが生じます。たとえば、契約書の管理が甘いとトラブルのもとになりますし、行政への届出を忘れると思わぬ不利益を受けることもあります。誰が何を担当するかを決めずにあいまいなままにしておくと、抜け漏れが起きやすくなります。総務機能は、会社を守るためにも欠かせないものです。
小規模企業で総務機能を担う方法
では、専任の総務部がない小規模企業は、どうやって総務機能を担えばよいのでしょうか。主な方法を見ていきましょう。

社長や事務担当が兼任する
もっとも多いのが、社長や事務担当者が総務を兼任するパターンです。小さな会社では、経理や労務もあわせて一人が担っていることがよくあります。兼任の場合は、本業の合間に総務をこなすことになるため、業務をためこまない工夫が必要です。「いつ・何をやるか」を決めておくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。
業務を整理して担当を割り振る
総務業務を一覧に書き出し、それぞれを誰が担当するか割り振る方法も有効です。一人にすべてを集中させるのではなく、できる範囲で複数の社員に分担すると、負担が偏らずに済みます。たとえば、備品管理はAさん、文書管理はBさん、というように、業務ごとに担当を決めておくと、責任の所在がはっきりします。
専門業務は外部に委託する
給与計算や社会保険の手続きは社会保険労務士へ、会計や税務は税理士へ、というように、専門性の高い業務を外部の専門家に委託するのも有効な手段です。社内に詳しい人がいなくても、専門家に任せれば正確に対応でき、ミスや法令違反のリスクも減らせます。コストはかかりますが、社内の手間と専門知識を補えるメリットは大きいといえます。
ツールやシステムで効率化する
勤怠管理や経費精算、文書管理などは、クラウドのツールやシステムを使うと、少ない人数でも効率よく回せます。手作業を減らせば、兼任の担当者でも本業と両立しやすくなります。最初の設定には手間がかかりますが、いったん仕組みをつくれば、日々の作業はぐっと楽になります。会社の規模や予算に合わせて、無理のない範囲で取り入れるとよいでしょう。
兼任で総務を回すときの注意点
限られた人数で総務を回すときに、気をつけたいポイントを確認しておきましょう。

業務の属人化を防ぐ
一人に総務を任せきりにすると、その人しか業務の進め方を知らない「属人化」が起きやすくなります。担当者が急に休んだり退職したりすると、会社が立ち行かなくなるおそれがあります。手順をマニュアルにまとめておく、書類の保管場所を共有しておくなど、ほかの人でも対応できるようにしておくことが大切です。
期限のある手続きを見落とさない
社会保険や税務、労働保険など、総務に関わる手続きには期限が決まっているものが多くあります。兼任で忙しいと、つい後回しにして見落としがちです。年間の手続きスケジュールを一覧にしておき、期限が近づいたら対応する仕組みをつくっておきましょう。期限を過ぎると不利益が生じる手続きもあるため、注意が必要です。
まとめ
総務部という部署がなくても、備品管理や文書管理、各種手続きといった総務の業務はなくなりません。担う人がいないと会社にリスクが生じるため、誰がどの業務を担当するかを決めておくことが大切です。
小規模企業では、社長や事務担当の兼任、社員への分担、外部委託、ツールの活用などを組み合わせて総務機能を担うのが現実的です。その際は、業務の属人化を防ぎ、期限のある手続きを見落とさないよう注意しましょう。限られた人数でも、工夫しだいで総務機能はしっかり回していけます。
よくある質問
- 何人くらいの会社から総務部を置くものですか?
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明確な基準はありません。一般的には、社員数が増えて総務業務の量が一人では回らなくなってきた頃に、専任の担当者や部署を置く会社が多いようです。数十人規模になると専任を置くケースが増えますが、業務量や会社の方針によってさまざまです。大切なのは人数より、総務業務がきちんと回る体制になっているかどうかです。
- 総務を社長一人でやっても問題ありませんか?
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会社の規模が小さいうちは、社長が総務を兼任すること自体は問題ありません。ただし、社長は本業の経営に多くの時間を使う必要があるため、総務に手が回らなくなりがちです。手続きの見落としや属人化を防ぐためにも、可能になったら社員への分担や外部委託を検討するとよいでしょう。
- 総務業務を外部に委託するといくらくらいかかりますか?
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委託する業務の範囲や会社の規模によって大きく変わります。給与計算や社会保険手続きを社会保険労務士に、会計や税務を税理士に依頼するのが一般的で、月額の顧問料がかかるのが通常です。費用はかかりますが、専門知識を補えてミスや法令違反のリスクを減らせるメリットがあります。まずは複数の専門家に見積もりを取って比較するとよいでしょう。
- 兼任の担当者が辞めたら業務が止まってしまいます。どうすればいいですか?
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業務の属人化を防ぐことが第一です。手順をマニュアルにまとめ、書類やデータの保管場所を共有し、ほかの人でも対応できるようにしておきましょう。日頃から複数人が業務の概要を把握しておくと、担当者が辞めても引き継ぎがスムーズです。専門的な業務は外部委託にしておくのも、業務が止まるのを防ぐ一つの方法です。
- 小規模でもまず整えておくべき総務機能は何ですか?
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期限のある手続き(社会保険・税務・労働保険など)と、契約書・重要書類の管理は、優先して整えておきたい総務機能です。これらは見落としや管理不備が会社のリスクに直結します。年間の手続きスケジュールを一覧にし、重要書類の保管ルールを決めておくだけでも、トラブルを大きく減らせます。




