「入国管理局」が、2019年4月に「出入国在留管理庁」へと変わりました。皆さんは知っていましたか?
最近、新規に在留関係の手続きをすることがなかったので、私は全く知りませんでした。恥ずかしい限りです。
結論から言えば、総務担当者目線で見ると単なる名称変更ですね。
とはいえ、その後の数年で外国人雇用まわりはかなり動きがありました。特定技能2号の対象拡大、2027年4月施行予定の育成就労制度、そして2026年6月14日から運用の特定在留カード(在留カード×マイナンバーカードの一体型)など、人事・総務担当者として知っておきたい話題も増えてきました。
いい機会なので、入国管理局との違いや、その後どう変わってきたのかなどについて、担当者目線でまとめてみました。
出入国在留管理庁とは?

上の画面が現在の出入国在留管理庁の公式サイトです。
いつ・どんな経緯でできた?
出入国在留管理庁は、2019年4月1日に発足した法務省の外局です。
背景には、外国人労働者の受け入れ拡大があります。同じく2019年4月に始まった「特定技能」制度の創設にあわせて、それまで法務省の内局だった「入国管理局」を格上げする形で、出入国在留管理庁という独立性の高い組織に再編されました。
担当者の感覚としては、外国人雇用が増えていく中で、政府としても腰を据えて対応する体制を作った、という位置づけだと思います。
どんな業務を担当しているの?
出入国在留管理庁は「出入国管理および難民認定法」に基づく、出入国管理行政を行うための機構として、以下のような業務を受け付けています。
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格取得許可申請
- 永住許可申請
- 再入国許可申請
- 難民旅行証明書交付申請
- 資格外活動許可申請
- 就労資格証明書交付申請
- 仮放免許可申請
- 難民認定申請
従来の入国管理業務に加え、外国人労働者の大幅な受け入れ拡大に伴って、不正労働防止などの在留管理機能が強化されているようです。
入国管理局との違いは?総務担当者目線で見ると
組織としての違いは?
あちこちのホームページを見ると、内局・外局の違いとか組織図がどう変わったとか色々書いてあります。
かんたんに整理すると、こんな違いです。
| 項目 | 入国管理局(〜2019年3月) | 出入国在留管理庁(2019年4月〜) |
|---|---|---|
| 法務省内の位置づけ | 内部部局(内局) | 外局(独立性が高い) |
| トップ | 局長1名 | 長官・次長・審議官 |
| 主な役割 | 出入国管理・在留審査 | 同左+外国人受け入れ政策の司令塔 |
ざっくり言うと、外国人受け入れを国として腰を据えて進めるために「内局を独立した役所に格上げした」というイメージですね。
実務の手続きは変わった?
総務労務担当者からすれば、組織としての違いは大きいものの、実際の手続きについては「単なる名称変更」で問題ないように思います。
ちなみに窓口は以下のように、以前の入管と変わりないように思います。

申請書類についても、法律改正による変更はあるものの、この組織変更による大きな様式変更はないように思います。
適切に処理していれば問題ないかと思いますが、不正労働の取り締まりは以前の入管より強くなっていると思われますので、不正労働などの法令違反をしている会社からすれば、怖い組織なのかもしれません。
2019年の発足以降に総務担当者が知っておきたい制度変更

「単なる名称変更」とは言いつつ、2019年の発足以降、出入国在留管理庁が動かしている制度自体はかなり変わってきています。
外国人を雇用している、あるいはこれから雇用する予定のある総務担当者向けに、最低限おさえておきたい3つのトピックをまとめます。
特定技能制度はどう広がった?
2019年4月にスタートした特定技能制度は、その後どんどん対象分野が広がっています。
- 2019年4月:制度スタート(特定技能1号は14分野)
- 2023年6月:特定技能2号の対象が2分野(建設・造船)から11分野へ大幅拡大
- 2024年:自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が追加され、計16分野に
特に大きいのが特定技能2号の拡大ですね。2号になると在留期間の更新に上限がなく、家族帯同もできるので、長期で働いてもらう前提の採用設計がしやすくなりました。
採用担当としては、「特定技能でしばらく働いて、要件を満たせば2号で長期定着してもらう」という道筋を見せられるようになったのは大きいと思います。
育成就労制度(2027年4月施行予定)って何?
【参考】育成就労制度
2024年6月に育成就労法が公布され、2027年4月1日から施行予定の新しい在留制度です。これまでの「技能実習制度」に代わるもので、特定技能19分野から「航空」「自動車運送業」を除く17分野が対象になる見込みです。

従来の技能実習は「技能移転を通じた国際貢献」が建前で、転籍が原則できないなど色々と問題が指摘されていました。
育成就労制度はその反省を踏まえ、特定技能1号への移行を前提にした制度として設計されています。在留期間は原則3年で、その間に技能を身につけてもらい、特定技能へつなげる、という流れですね。
政府は2027〜28年度の2年間で43万人規模の受け入れ方針を示しています。技能実習生を雇用している会社では、施行までに新制度への切り替え準備が必要になりそうです。
在留カードとマイナンバーカードの一体化(2026年6月14日運用開始)
中長期在留者・特別永住者が対象で、取得は任意です(従来どおり2枚持ちのままでもOK)。
総務担当者として影響しそうなポイントは、こんなところだと思います。
- 外国人従業員の本人確認書類が「特定在留カード1枚」になるケースが増える
- 在留資格の更新と、マイナンバーカード機能の更新が一体で処理可能に
- 雇用時の在留資格チェックや、年末調整・社会保険手続きでのマイナンバー収集の流れが少しずつ変わる可能性あり
まだ運用開始直後はバタつきそうな気もしますが、今のうちに「2枚持ちの人」と「特定在留カードに切り替えた人」が混在する前提で、本人確認フローを整理しておくと安心ですね。
出入国在留管理庁を使うときに知っておきたいこと
オンライン申請はできるの?
近年は、在留資格関連の手続きもオンラインで進められる範囲がかなり広がってきています。
「在留申請オンラインシステム」では、企業(所属機関)が代理で在留期間更新・在留資格変更などの申請を行うことができます。所属機関による職員の届出(i-ENS)も電子化が進んでいて、入管に出向かずに手続きできる範囲は年々広がっている印象ですね。
外国人従業員が複数いる会社では、紙でやるより一度オンライン申請の利用者登録をしてしまった方が、長い目でラクだと思います。
公式サイトはどこを見ればいい?
出入国在留管理庁の公式サイトは、出入国在留管理庁 公式サイトです。
古いブックマークで www.immi-moj.go.jp を持っている方は、URLが変わっているので更新しておくと安心です(古いリンクからは現行サイトに飛ばないこともあります)。
外国人従業員とのコミュニケーションで通訳・翻訳の負担が大きいときは、外国人従業員対応を安心して行うには〜Nottaの「2か国語文字起こし・翻訳」機能〜もあわせてご覧ください。在留手続きそのものではないですが、面談・説明の場面で使える仕組みです。

出入国在留管理庁に関するQ&A
- 「入国管理局」の名前で発行された書類は、まだ使えるの?
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組織名が変わっただけで、過去に発行された在留資格認定証明書や許可証などはそのまま有効です。書類の差し替えなどは特に必要ないと思います。
- 特定在留カードは全員が作らないとダメ?
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取得は任意です。従来どおり、在留カードとマイナンバーカードを2枚持ちで使うこともできます。マイナンバーカードを持っていない・作る予定がない人に強制するものではないと思います。
- 技能実習生はそのまま雇用を続けられるの?
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技能実習制度は2027年4月の育成就労制度施行に向けて見直しが進んでいますが、すぐに既存の技能実習生がいなくなるわけではありません。経過措置が設けられる見込みなので、施行スケジュールにあわせて切り替え準備を進めるのが現実的です。
- 在留期間更新の申請、会社で代理してあげてもいいの?
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所属機関として「在留申請オンラインシステム」の利用者登録をしておけば、会社側で代理申請ができます。本人が窓口に行く負担が減るので、外国人従業員が複数いる会社にはおすすめだと思います。
- 不正労働があると、会社にもペナルティがあるの?
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はい、あります。不法就労助長罪などの対象になる可能性があり、出入国在留管理庁の監査対象にもなります。在留資格と従事させている業務の内容が合っているか、雇用前後でしっかり確認しておきたいところです。
まとめ
出入国在留管理庁は、2019年4月に入国管理局から格上げされる形で発足した法務省の外局です。
総務担当者の日々の手続きという意味では、結論「単なる名称変更」で大丈夫だと思います。
ただ、その後の数年で特定技能2号の拡大・育成就労制度(2027年4月施行予定)・特定在留カード(2026年6月14日運用開始)と、外国人雇用まわりの制度はかなり動いています。実務の手続きは大きく変わらなくても、「制度の中身」自体はアップデートしていく必要があると思います。
外国人採用の手続き全体の流れは、外国人採用の手続きと流れ〜苦労した手続きやポイントまとめ〜でまとめています。これから初めて外国人を採用する方は、よかったらあわせてご覧ください。




