経理の本は、似たような本が多く、簿記の入門書、決算書の読み方、勘定科目、税務年鑑と、どれも必要そうに見えて、結局どれを買えばいいのか分からなくなりますよね。
タイトルや目次だけで見て買うと、知りたいことを書いているけど、使える本ではない場合も多いです。
そこで今回は、経理の本を業務ごとに27冊用意しました。2026年8月に書店の経理・会計の棚も一通り見てきたので、そこで平積みになっていた本もあわせて紹介します。
紹介する順番は、経理の業務の流れで並んでいます。単純なランキングではありません。総務の仕事も兼務している方は、総務寄りの本をまとめた2026年版、総務・経理のおすすめ本ランキング20もあわせてお読みください。
【この記事でわかること】
- 経理の本は「日次・月次・年次のどこで詰まっているか」で選ぶと外しにくい
- 制度に関わる本(インボイス・電子帳簿保存法・年末調整・税務)は、改訂の年を見てから買う
- 通読する本と、辞書のように引く本は用途が違うので、分けて買ったほうがいい
- 経理1年目の全体像・簿記の基礎・仕訳の事典・決算書・税務・給与計算・AIの7分野で27冊
経理の本を選ぶ基準は、困っているポイントなど3つ
経理の本選びで外しにくいのは、次の3つを先に決めてから書店やAmazonを見る方法です。「経理 本 おすすめ」で出てくるランキングをそのまま買うより、自分の状況に当てはめたほうが結果的に早いと思います。
日次・月次・年次のどこを知りたいかを決める
経理の仕事は、日次(現金出納・経費精算・記帳)・月次(月次決算・残高照合)・年次(決算・税務申告・年末調整)の3層に分かれています。本もだいたいこの層に対応して書かれています。
領収書の処理や仕訳の入力で手が止まっているなら日次の本、月次の数字が合わないなら月次決算の本、というふうに層を合わせます。決算書の読み方の本は、実は日次・月次で困っている人には効きません。
どの層かが自分でも分からないときは、経理の仕事の全体像を扱った本を1冊読むのが早いです。この記事だと最初の5冊がそれにあたります。

制度に関わる本は、改訂の年を必ず見る
インボイス制度、電子帳簿保存法、年末調整、法人税の申告といった制度に関わる本は、中身が数年で古くなります。表紙に「令和8年度版」「’26~’27年版」と年が入っている本は、必ず最新の年版かどうかを見てから買ったほうがいいです。
ややこしいのは、書名に年が入っていないのに中身は制度対応、という本です。この場合は奥付やAmazonの商品ページで「増補改訂」「改訂3版」などの表記と発行年を確認します。ネット書店だと旧版と新版が並んで売られていることがあるので、そこで間違えやすいですね。

通して読む本と、索引から引く本を分けて買う
経理の本は、最初から最後まで読む本と、困ったときだけ開く本の2種類があります。この2つを1冊で済ませようとすると、たいてい中途半端になります。
通読する本は、経理の全体像・簿記の考え方・決算書の読み方あたりです。引く本は、勘定科目と仕訳の事典、税務ハンドブックのような索引つきの本ですね。引く本は分厚くて高いことが多いですが、1年使えば元が取れます。
最初の1冊なら通読する本、2冊目で引く本、という順番がおすすめです。
なお、ここでいう勘定科目とは、「旅費交通費」「消耗品費」「支払手数料」のように、取引を分類するための科目名のことです。事典はこの科目を選ぶために引く本なので、そもそも分類の考え方があいまいな段階だと、引いても判断できません。その場合は事典より先に、全体像や簿記の本を1冊入れたほうが早いと思います。

おすすめの経理の本27冊の一覧表
先に全体を一覧にしました。気になる本があれば、書名がリンクになっているのでクリックして下の解説まで飛んでください。

経理1年目に読む、仕事の全体像がわかる本5冊
経理に配属されたばかりのときは、個々の処理より先に「1年でどんな仕事が回っているのか」を知ったほうが早いです。ここの5冊は、日次・月次・年次の流れを1冊で通しているタイプです。
1. 増補改訂 小さな会社の経理・人事・総務がぜんぶ自分でできる本
中小企業で経理・人事・総務を1人か2人で回している会社向けの本です。経理だけでなく、入退社の手続きや社会保険まで1冊に入っているので、兼務している人には守備範囲が合いやすいと思います。
増補改訂版でインボイス制度と改正電子帳簿保存法に対応しています。制度ものが入っている本なので、買うときは版の表記を確認してください。
ひとり経理だと「これは自分の仕事なのか、社労士に頼む仕事なのか」の線引きで迷います。この本は書類の様式と手続きの流れがセットで載っているので、その線引きの判断材料になります。
2. 経理になった君たちへ
税務研究会出版局から出ている本で、著者は23番と同じ公認会計士の白井敬祐さん(公認会計士YouTuberのくろいさん)です。
新人経理の「会計太郎」君が主人公のストーリー形式で、各章が短いマンガ、会話、図解つきの解説の順に進みます。経理の仕事が何のためにあるのか、必要なスキル、その先のキャリアまで扱っているので、配属されたばかりで自分の仕事の位置づけが分からない人に向いています。
304ページありますが、会話形式なので活字が苦手でも進めやすい作りです。
3. この1冊ですべてわかる 経理業務の基本
毎日の現金出納から年次の決算業務まで、実務の流れに沿ってステップごとにまとめられた本です。税理士の小島孝子さんの著書ですね。
「経理の仕事はこの順番で回っている」という時系列がはっきりしているので、未経験で配属された人でも、いま自分がどこをやっているのかを見失いにくいです。引き継ぎ資料が残っていない職場だと、この手の本が実質のマニュアル代わりになります。
1冊目としても、2年目に自分のやり方を点検する用としても使えます。
4. 図解わかる 小さな会社の総務・労務・経理
新星出版社の「図解わかる」シリーズで、税理士の関根俊輔さんが監修している年版の本です。書店では2026-2027年版が平積みになっていました。
書名のとおり、総務・労務・経理の3つを1冊で扱っています。経理専任ではなく、小さな会社で事務を1人で任されている人向けの守備範囲ですね。1番の本と近いタイプなので、両方ではなくどちらか1冊を選べば足ります。
社会保険や労働保険の手続きが入っている年版ものなので、買うときは最新の年版かどうかを確認してください。
2026-2027年版を読みましたが、すごく便利です。小さい会社でひとりで担当していて、何をどうしたらいいか分からない、という環境にはもってこいの1冊です。
5. 1時間でわかる 経理1年生のおしごと
技術評論社のスピードマスターシリーズの1冊で、経理の仕事を日次・月次・年次に分けて説明しています。薄めの本なので、タイトルどおり短時間で読み切れます。
異動が決まった直後や、経理担当が急に退職して引き継ぐことになったときのように、とりあえず全体像だけ先に入れたい場面に向いています。深い解説はないので、これ1冊で実務を回すのは難しいですが、全体の流れをつかむ本としては使いやすいです。
この本で流れをつかんでから、3番か2番の厚めの本に進む形がやりやすいと思います。
簿記と仕訳の基礎をやり直す本4冊
実務でいちばん詰まりやすいのが仕訳です。会計ソフトが自動で仕訳を作ってくれる場面が増えましたが、その仕訳が正しいかどうかを判断するのは結局こちら側なので、簿記の考え方は避けて通れません。
ここの4冊は、簿記検定の受験対策ではなく、仕組みを理解し直すための本です。
6. 簿記がわかってしまう魔法の書
名古屋大学教授で経営・会計が専門の小沢浩さんの本です。日本実業出版社から出ています。
特徴は、簿記の手続きを覚える前に「なぜそうなるのか」を先に説明しているところです。資産・負債・資本・収益・費用の5要素がどう関係しているのか、試算表と仕訳の仕組み、貸借対照表と損益計算書を読むときのポイント、という順で進みます。
借方と貸方を丸暗記でしのいできた人が、意味のほうから入り直すのに向いています。手続きから入って挫折した経験があるなら、こちらのほうが合うと思います。
7. はじめての人の簿記入門塾
かんき出版から2005年に出た本で、27万部を超えるロングセラーです。簿記入門の定番として見かけやすい本ですね。
著者の浜田勝義さんは、専門学校・大学・企業研修で簿記の入門講座と簿記検定1級から3級までを教えてきた方です。要点を絞って説明するタイプの本なので、独学で最初の1冊にしやすいと思います。
なお、簿記の勉強は本を読むだけだと手が動きません。電卓を叩きながら進めたほうが定着します。経理向けの電卓は給与計算・総務・経理用「電卓」おすすめ7選でまとめています。

8. イラスト&図解 イチバンやさしい簿記入門
西東社から出ている簿記の入門書で、著者は南伸一さんです。イラストと図解が多く、マンガも入っています。
章立てが「毎日の実務で使う簿記」「毎月の実務で使う簿記」「毎年の実務で使う簿記」と、経理の日次・月次・年次に合わせてあるのが特徴です。検定対策というより、仕事で出てくる場面から仕訳を理解したい人に合います。
演習問題はほとんど載っていないので、問題を解きながら覚えたい人は、練習問題がついている9番と組み合わせるといいと思います。
9. 80分でマスター! [ガチ速]簿記入門
扶桑社から出ている、短時間で簿記の骨格をつかむタイプの本です。分量が絞ってあるので、通勤時間の往復くらいで一周できます。
簿記をきちんとやる前の助走用、という位置づけがちょうどいいと思います。これだけで実務の仕訳を判断するのは無理がありますが、6番や7番の本に入る前のウォーミングアップとしては役に立ちます。
本を読んでも簿記が入ってこない場合は、講座を使う手もあります。簿記の通信講座なら「STUDYing(スタディング)」のようなオンライン型が、仕事と並行しやすいです。
勘定科目と仕訳を調べる事典2冊
ここからは通読する本ではなく、引く本です。仕訳で迷ったときにすぐ確認する用途で選びます。
10. 豊富な仕訳例で世界一使いやすい!勘定科目と仕訳の事典 第2版
秀和システムから出ている事典タイプの本です。書名のとおり仕訳例が多く、取引の内容から引ける形になっています。
実務でいちばん困るのは「この支出、どの勘定科目にすればいいのか」という判断です。会計ソフトの科目一覧を眺めても答えは出ないので、こういう事典で類似の取引例を探すことになります。前任者が使っていた科目をそのまま踏襲していいのか迷ったときにも使えます。
第2版が2023年5月なので、購入時に新しい版が出ていないか確認してください。
11. 図解即戦力 勘定科目と仕訳がこれ1冊でしっかりわかる本
技術評論社の「図解即戦力」シリーズで、著者は樋渡順さんです。オールカラーで、勘定科目ごとに仕訳の例が並んでいます。
「50音順」「摘要別」「科目別」の3種類の索引がついているので、迷った取引をその場で引けます。10番と同じく、通読するより手元に置いて引く本です。
2021年2月の発行で、令和2年度の税制改正に対応しています。掲載する科目を101に絞ってあるので、載っていない科目は10番の事典や会計ソフトのヘルプで補ってください。
決算書が読めるようになる本4冊
決算書の本は、経理の実務そのものというより、自社や取引先の数字を読むための本です。日次の処理で困っている段階では急ぎませんが、月次決算や取引先の与信を任される段階になると必要になります。
書店でも、経理の棚とは別に決算書だけで一区画あるくらい種類が多い分野です。実際に棚を見ると、クイズ形式・図解形式・講義形式で分かれていました。
12. 【改訂版】世界一楽しい決算書の読み方
大手町のランダムウォーカーさんの本で、KADOKAWAから出ています。会計クイズを解きながら財務3表を読めるようにする、という作りです。
著者は公認会計士試験に合格したあと大手監査法人を経て独立し、株式会社Fundaで会計クイズを運営している方です。「この決算書はどの会社のものか」を当てる形式なので、数字の本が続かなかった人でも進めやすいと思います。
続編として実践編も出ています。まず改訂版で財務3表の読み方を入れて、物足りなければ実践編に進む形がいいですね。
13. 教養としての「会計」入門
日本実業出版社の「教養としての」シリーズの1冊で、著者は企業研修やビジネススクールで会計を教えている金子智朗さんです。
決算書の構造から、発生主義・原価主義といった原則、のれん、固定資産の減損、ROEやCCCといった指標、限界利益、税金と会計の関係まで、財務会計・管理会計・税務会計を幅広く扱っています。320ページあり、ここに並べたほかの決算書の本より一段深い内容です。
決算書の読み方を1冊読んだあと、「なぜそういう処理をするのか」まで知りたくなったときに合う本だと思います。
14. 80分でマスター!ガチ速決算書入門
扶桑社から出ている本で、9番の簿記入門と同じシリーズです。著者は公認会計士の金川顕教さんです。
「数字アレルギーを解消する」ことを目的にした超入門書で、損益計算書を1年間の「成績表」、貸借対照表を「診断書」にたとえて説明しています。イラストと図解が中心なので、文字だけの本が続かなかった人向けです。
決算書の本を初めて読むなら、12番かこの本から入るのがいいと思います。
15. これから、たった6時間で一生忘れない会計レッスンを始めます
日本経済新聞出版から2026年8月に出た本で、著者は日本経済新聞社で経済・マーケットの記者を長く務めてきた田中彰一さんです。日経電子版の動画講座「仕事に役立つ会計レッスン」がもとになっています。
経理の担当者向けというより、経営者や営業担当も含めて、社会人として知っておきたい会計の基礎を扱った本です。ROEのような経営指標や、キャッシュフロー計算書まで含めた財務諸表の読み方に寄せてあります。
簿記の勉強を始める前に、会計の全体像を軽く入れておく用途にも向いています。12番や13番と同じく、決算書を読む側の本として選んでください。
総務の担当者というよりは、経営者や営業担当など、社会人として知っておかないといけない会計の基礎知識の本です。簿記を勉強する前に簡単に読んでおくといいと思います。
どちらかというと経営側の目線で、ROEなどの指標やキャッシュフローなど、財務諸表を読むための内容です。
税務と年次業務で手元に置く本4冊
税務の本は、通読するより引く本です。税率・限度額・適用要件のように、うろ覚えのまま処理すると危ない数字が多いので、すぐ確認できる本が1冊あると安心です。
この分野は年版ものが中心です。古い年版を引いてしまうと、税率も限度額も違うので、そこだけは注意してください。
16. 令和8年度版 税務ハンドブック
税務の数字を引くための年版ハンドブックです。法人税・所得税・消費税・相続税などの税率や取扱いが1冊にまとまっています。
使い方としては、読む本ではなく、処理の途中で確認する本です。年に一度買い替える前提の本なので、古い年版が手元にあるなら差し替えたほうがいいと思います。
顧問税理士がいる会社でも、聞く前に自分で当たりをつけられると話が早くなります。
17. 税務インデックス(令和8年度版)
税務研究会が毎年出している年版の本です。関係する法令と通達を表の形でまとめていて、税率や控除額、適用期限をすぐに確認できます。
令和8年度の税制改正の項目は4色刷りで目立つようにしてあります。持ち歩きやすい作りなので、16番の税務ハンドブックと同じく、処理の途中で引くための本です。
16番とは役割がほぼ同じなので、両方ではなくどちらか1冊で足ります。年版ものなので、買うときは最新の年度版を選んでください。
18. とりあえず法人税申告書が作れるようになる本
税務研究会出版局の「高山先生の若手スタッフシリーズ」の1冊で、著者は高山弥生さんです。
赤字会社の申告書の書き方(源泉所得税の処理)、別表5(1)・5(2)の考え方、中間納付や中間還付がある申告書の書き方に絞って、会話形式で解説しています。もともとは税理士事務所の若手スタッフ向けの本です。
自社で申告書を作っている会社の経理担当者や、顧問税理士が作った申告書の中身を読めるようになりたい人に向いています。
申告ソフト・会計ソフトの選び方は経理担当者が選ぶ、法人化した際のおすすめ会計・申告ソフト3選でまとめています。

19. 一番わかりやすい! 税効果会計の教科書
ソシムから出ている税効果会計の入門書です。ここまでの本と比べると、対象が少し先の段階になります。
税効果会計は、会計上の資産・負債の額と税務上の資産・負債の額の差異について、法人税等を期間配分する処理です。中小企業だと出てこないこともありますが、監査を受けることになったり、親会社に連結の資料を出すことになると、いきなり必要になります。
いま必要でなければ後回しで問題ありません。必要になったときに、この手の入門書から入るのがいいと思います。
給与計算と社会保険を兼務するときの本3冊
中小企業だと、経理の担当者が給与計算まで持っていることがよくあります。給与計算は会計と別の知識が要るうえに、社会保険と税金の両方が絡むので、専用の本を1冊持っておいたほうが早いです。
書店でも、経理の棚のすぐ隣が給与計算と社会保険の棚になっていました。この分野は年版ものが中心です。
20. 基本と実務がよくわかる 小さな会社の給与計算と社会保険
ナツメ社から出ている年版の本です。書店では26-27年版が平積みになっていました。
給与計算の手順と、入退社・産休育休といった場面ごとの社会保険の手続きが1冊に入っています。小さな会社を想定しているので、専任の労務担当がいない職場の実態に近いです。
保険料率や税額表は改定されることがあるので、年版が古いまま使うのは危ないです。手元の本が2年以上前の年版なら、買い替えたほうがいいと思います。
手続きの説明だけでなく、各種届出の記入例も載っています。源泉所得税の納付書や住民税の納付書の書き方まで載っている本は多くないので、ここは貴重です。産前産後休業や育児休業の説明と、申請書の記入例も入っています。
給与計算と社会保険の本では、これが一番分かりやすいです。入門者向けではあるけれど、経験者でも確認したい点や、慣れていない計算を見返すときに便利です。年間行事や給与計算の基本的な知識も入っています。
健康保険の料率の見方や、最低限覚えておくべき記入例はだいたい載っている感じです。
21. 増補改訂 給与計算・年末調整の手続きがぜんぶ自分でできる本
ソシムから出ている本で、1番の本と同じシリーズです。給与計算と年末調整に絞ってあります。
年末調整は、年に1回しかやらないのに書類の種類が多くて、毎年思い出すところからになります。様式の記入例が載っている本があると、去年の自分のやり方を確認する手間が減ります。
この本は増補改訂版が出ています。旧版がネット書店に並んでいることがあるので、増補改訂の表記があるほうを選んでください。
22. 令和8年度版 やさしくわかる給与計算と社会保険事務のしごと
日本実業出版社から毎年出ている年版の本で、著者は社会保険労務士の北村庄吾さんです。書店では令和8年度版が並んでいました。
給与計算をまったくやったことがない人向けの入門書です。計算の例が分かりやすく、漫画も入っているので、20番より手前の1冊目として読みやすいと思います。
そのぶん、給与計算の全部を網羅している本ではありません。社会保険の最低限の手続きと、給与計算の基本的な考え方を押さえる本として使って、細かい記入例は20番で補う形がいいですね。
白とピンクの配色で、説明が分かりやすい本です。計算の例も分かりやすいし、値段も手ごろです。
全部を網羅するのは難しいですが、社会保険の最低限の手続きと給与計算の基本的な考え方は理解できます。漫画も出てくるので親しみやすく、これから給与計算をやる、まったくしたことがない人向けですね。
AI・Excel・リモート化に対応する本4冊
ここは、経理の仕事のやり方そのものが変わってきている分野です。書店でも、経理の棚に生成AI関連の本が並ぶようになっていました。
ここの4冊は、処理の正解を教える本ではなく、仕事の進め方を変えるための本です。
23. Before/Afterでよくわかる 生成AI×経理・会計 実務入門
日本実業出版社から出ている本で、著者は公認会計士の白井敬祐さんです。公認会計士YouTuberのくろいさんとして活動されている方ですね。
生成AIで経理・会計の業務がどう変わるかを、Before・After・実践編の順で解説しています。「AIとは何か」の説明で終わる本ではなく、経理の具体的な作業をどう置き換えるかに寄せてあるのが特徴です。
発売してすぐ重版がかかり、累計1万部を超えたとのことです。Amazonの会計専門書のランキングでも1位になっていました。書店でも平積みで置かれていたので、経理で生成AIを使う本を探すなら、候補に入れていいと思います。
出版社の紹介ではGeminiを中心にした実務ノウハウとされていますが、内容はプロンプトの書き方と、経理のどの場面でAIを使うかの説明が中心です。職場で使えるAIがChatGPTなど別のサービスでも、そのまま応用しやすいと思います。
担当者の仕事を全部AIに置き換えられる、という本ではありません。でも「こういうところでAIを使えばいいのか」という気づきを与えてくれます。
ChatGPTかGeminiかに関係なく、AIの種類に偏った内容ではありません。全体的にプロンプトの作り方や使う場面の説明に終始しています。
24. 経理×AI入門
中央経済社から出ている本で、経理の業務にAIが入ってくると何が変わるのかを扱っています。
23番が具体的な使い方寄りなのに対して、こちらは経理という仕事の側から見た変化の話が中心です。自分の担当業務のうち、どこが自動化されてどこが残るのかを考える材料になります。
経理の求人でAI関連の記述が増えているので、転職を視野に入れている人も読んでおいて損はないと思います。
25. 会計ソフトのすき間を埋める 経理のExcel仕事術
技術評論社から出ている本で、会計ソフトだけでは足りない集計をExcelで埋めるという内容です。
会計ソフトを入れていても、部門別の集計や、上司から頼まれた切り口の資料は結局Excelで作ることになります。この本は経理の作業を前提にした関数と表の作り方を扱っているので、一般的なExcel入門書より当てはまりがいいです。
Excelの作業を減らすところから始めたい人は、この本の内容と23番のAIの本を組み合わせると効きます。
26. リモート経理完全マニュアル
経理を在宅でも回せるようにするための本です。紙と印鑑が前提の業務をどう組み替えるか、という視点で書かれています。
経理は、請求書や領収書といった紙が集まる部署なので、出社しないと止まる業務が残りがちです。電子帳簿保存法の対応と一緒に考えると、進めやすくなると思います。
発行から時間が経っている本なので、制度の細かい部分は最新の情報で確認してください。仕事の組み替え方の考え方は、いまでも使えます。
資金繰りと会社の数字がわかる本1冊
27. 資金繰りの不安がなくなる最高の方法
資金繰りをテーマにした本です。経理の担当者が、決算書の作成だけでなく資金の管理まで任される場面を想定しています。
小さい会社ほど、資金繰り表を作るのが経理の仕事になります。利益が出ているのにお金がない、という状態がなぜ起きるのかを説明できるようになると、社長への報告の中身が変わります。
簿記や仕訳の本とは方向が違いますが、経理として一段先に進みたいときに読む1冊としておすすめです。
経理の本を買うときにやりがちな失敗
最後に、経理の本を買うときに気をつけたい点を3つ挙げておきます。
一度に何冊も買う
まとめて3冊買うと、1冊目の途中で止まりやすいです。経理の本は業務と並行して読むものなので、いま使う場面がある本から1冊ずつのほうが結局進みます。
買うなら、通読する本1冊と引く本1冊の組み合わせが無理のない範囲だと思います。
レベルが合っていない本を買う
経理の棚には、担当者向けの実務書と、会計士や税理士向けの専門書が並んでいます。表紙だけだと区別がつきにくく、開いたら会計基準の解説だった、ということが起きます。
難しい本を買っても実力は上がりません。書店で中を開けるなら、目次と本文を1ページ読んで、知らない用語が半分以上あるなら一段やさしい本に下げたほうがいいです。
改訂の直前に旧版を買う
年版ものは、次の年版が出る時期が決まっています。税務ハンドブックのような本は、あと1か月待てば新しい年版が出る、という時期に旧版を買ってしまうともったいないです。
ネット書店の商品ページには、同じシリーズの他の年版が並んで表示されます。買う前にそこを見て、いちばん新しいものを選んでください。
なお、古い年版が手元にたまってきたら、専門書の買取に出す方法もあります。「「専門書アカデミー」
」のような専門書に強いところだと、一般の古本屋より条件がいいことが多いです。会社の本を処分する場合の進め方は総務・経理担当者必見!会社の古本を高価買取で効率処分する方法でまとめています。

まとめ
経理の本は数が多いので、ランキングの上から順に買うより、自分が詰まっている工程に合わせて選んだほうが早いです。日次・月次・年次のどこで止まっているかを決めて、そこの棚から1冊、という順番ですね。
- 配属されたばかりで全体像がない → 1〜5番
- 仕訳の意味が分からない → 6〜9番
- 勘定科目の判断で毎回迷う → 10〜11番
- 決算書を読めるようになりたい → 12〜15番
- 税務の数字を確認したい → 16〜19番
- 給与計算も兼務している → 20〜22番
- 仕事のやり方を変えたい → 23〜27番
総務の仕事も持っている方は、総務寄りの本をまとめた2026年版、総務・経理のおすすめ本ランキング20もあわせてご覧ください。もっと冊数を絞りたい場合は総務経理担当者になったら手元に置いておきたい本7選のほうが選びやすいと思います。


経理の本についてよくある質問
- 経理の本は何冊くらい持っておけばいいの?
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常に使う本は2〜3冊で足ります。全体像の本を1冊、仕訳を引く事典を1冊、税務や給与計算のように担当している分野の年版を1冊、という構成が現実的だと思います。あとは必要になったときに足していく形で問題ありません。
- 紙と電子書籍、どちらがいいの?
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引く本は紙、通読する本は電子、という分け方が使いやすいです。事典やハンドブックは付箋を貼って開くので紙のほうが早いですね。入門書や読み物系は電子で十分だと思います。読み放題の対象になっている本もあるので、まとめて読みたいときは「Kindle Unlimited」のような定額サービスを使う手もあります。総務向けの対象本は2026年版、kindle unlimitedで読める総務の本10選でまとめています。
- 経理の本は会社の経費で買えるの?
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業務に必要な図書であれば、新聞図書費などで処理している会社が多いです。判断に迷うのは資格取得用のテキストで、これは会社の方針によります。購入前に上長に確認しておいたほうが無難ですね。会社としてまとめて買うなら「Amazonビジネス」のような法人向けの購買サービスを使うと、請求書払いや購買履歴の管理が楽になります。
- 本を読む前に簿記3級を取ったほうがいい?
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順番はどちらでも大丈夫です。ただ、簿記3級の勉強をしておくと、実務書に出てくる仕訳の説明がそのまま読めるようになるので、結果的に近道になることが多いです。検定を受けなくても、3級のテキストを一通りやるだけで効果はあります。
- 中古で買っても大丈夫?
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簿記の考え方や決算書の読み方の本は、中古でも問題ありません。避けたほうがいいのは、税務・社会保険・年末調整のように制度が絡む本です。中古は年版が古いことが多く、税率や限度額が今と違います。制度ものだけは新品で最新版を買ってください。
- 経理未経験でも実務書だけで仕事はできるの?
-
日次の処理までなら、本と会計ソフトのマニュアルで回せる部分は多いです。ただ、決算と税務申告は判断が必要になるので、顧問税理士に確認できる体制は作っておいたほうがいいと思います。本は、税理士に何を聞けばいいかを分かるようにするための道具、という位置づけが近いです。