「法人税って、結局どういう税金なのか」。会社を経営していれば必ず関わる税金ですが、その仕組みや計算の流れを正確に説明できる人は意外と少ないものです。総務や経理として、ざっくりでも全体像をつかんでおきたいところです。
私も経理に関わる中で法人税に触れてきましたが、「会社のもうけにかかる税金」という大枠と、計算のおおまかな流れを知っておくだけで、決算や申告のときの理解がぐっと深まりました。細かい計算は税理士に任せるとしても、基本は押さえておくと安心です。
今回は、法人税とは何か、課税の仕組みと計算の流れを、わかりやすく整理しました。法人税の基本を知っておきたい方の参考になればうれしいです。
法人税とは
まずは、法人税がどういう税金なのかを整理しておきましょう。
会社のもうけにかかる国税
法人税とは、会社(法人)のもうけ、つまり所得に対してかかる国税です。個人の所得に所得税がかかるのと同じように、法人の所得には法人税がかかります。1年間の事業活動で得た利益をもとに税額を計算し、国に納めます。会社が負担する税金の中でも中心的なもので、事業年度ごとに申告・納税するのが基本です。
法人にかかるそのほかの税金
会社のもうけには、法人税だけでなく、関連するいくつかの税金がかかります。代表的なものを表で整理しておきます。
| 税金 | 概要 |
|---|---|
| 法人税 | 法人の所得にかかる国税 |
| 地方法人税 | 法人税額をもとに計算する国税 |
| 法人住民税 | 都道府県・市町村に納める地方税 |
| 法人事業税 | 事業に対して都道府県に納める地方税 |

これらをまとめて「法人にかかる税金」と捉えると分かりやすいでしょう。一般に「法人税等」というときは、これらを含めて指すことがあります。
法人税の課税の仕組み
法人税は、何に対して、どのようにかかるのでしょうか。仕組みを見ていきましょう。
課税の対象は「課税所得」
法人税がかかるのは、会社の利益そのものではなく、「課税所得」と呼ばれる金額です。課税所得は、税法上のもうけのことで、益金から損金を差し引いて計算します。益金は税法上の収益、損金は税法上の費用にあたります。課税所得に税率をかけることで、法人税額が計算されます。
会計上の利益と課税所得は違う
ここで大切なのが、会計上の利益と課税所得は、必ずしも同じではないという点です。会計のルールと税法のルールには違いがあるため、会計上は費用でも税務上は損金にならないもの(損金不算入)などがあります。そのため、会計上の利益に税務上の調整(加算・減算)を加えて、課税所得を計算します。「利益=課税所得」ではないことを、まず押さえておきましょう。

税率は所得や法人の種類で変わる
法人税の税率は、法人の種類や所得の規模によって変わります。中小法人には、一定の所得まで税率が低くなる軽減措置が設けられています。税率は税制改正によって見直されることもあるため、実際の計算では、その年度の最新の税率を確認することが大切です。具体的な税率は、国税庁の情報や顧問税理士に確認するとよいでしょう。
法人税の計算の流れ
法人税は、おおまかに次のような流れで計算します。
決算を行い、収益から費用を差し引いて、会計上の利益(税引前当期純利益)を計算します。これが計算の出発点になります。
会計上の利益に、税務上の調整(加算・減算)を加えて、課税所得を計算します。損金にならない費用などを調整します。
課税所得に税率をかけて、法人税額を計算します。法人の種類や所得規模に応じた税率を使います。
計算した税額から、税額控除などを差し引いて、最終的に納める法人税額を求めます。中間納付があればそれも調整します。

実際の計算では、別表と呼ばれる書類を使って税務調整を行うなど、細かいルールがたくさんあります。流れの全体像をつかんだうえで、具体的な計算や申告は顧問税理士に確認しながら進めると安心です。
まとめ
法人税とは、会社のもうけ(所得)に対してかかる国税です。会社のもうけには、法人税のほか、地方法人税・法人住民税・法人事業税などもかかります。課税の対象は、会計上の利益そのものではなく、益金から損金を差し引いた「課税所得」です。
計算は、会計上の利益を求め、税務調整して課税所得を出し、税率をかけ、税額控除を差し引いて納付額を求める、という流れです。会計上の利益と課税所得は違うこと、税率は法人の種類や所得規模で変わることがポイントです。細かい計算は複雑なので、全体像を押さえたうえで、具体的な部分は税理士に確認しながら進めましょう。
よくある質問
- 法人税は会社の利益にそのままかかるのですか?
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いいえ、会計上の利益そのものではなく、「課税所得」にかかります。課税所得は、会計上の利益に税務上の調整(加算・減算)を加えて計算します。会計のルールと税法のルールには違いがあるため、会計上は費用でも税務上は損金にならないものなどがあり、利益と課税所得は一致しないのが通常です。
- 赤字でも法人税はかかりますか?
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課税所得がマイナス(赤字)であれば、法人税自体はかかりません。ただし、法人住民税には、所得に関わらず納める「均等割」という部分があり、赤字でも一定額の納税が必要です。また、赤字(欠損金)は一定期間繰り越して、将来の黒字と相殺できる制度もあります。詳しくは税理士に確認するとよいでしょう。
- 法人税の税率はどのくらいですか?
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税率は、法人の種類や所得の規模によって変わります。中小法人には、一定の所得まで税率が低くなる軽減措置があります。税率は税制改正で見直されることもあるため、正確な数字は、その年度の国税庁の情報や顧問税理士に確認することをおすすめします。本記事では仕組みの理解を優先し、具体的な率は割愛しています。
- 法人税はいつまでに申告・納税しますか?
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原則として、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、申告と納税を行います。たとえば3月決算の会社なら、5月末が期限です。一定の手続きをすれば申告期限を延長できる制度もありますが、納税については別途考慮が必要です。期限を過ぎると加算税や延滞税がかかることがあるため、注意しましょう。
- 法人税の計算は自分でできますか?
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仕組みの理解はできますが、実際の計算は、別表を使った税務調整など細かいルールが多く、専門的な知識が必要です。中小企業の多くは、顧問税理士に申告書の作成を依頼しています。まずは全体像を押さえておき、具体的な計算や申告は専門家に任せる、という形が現実的で安心です。




