防火・防災管理者選任(解任)届出書の書き方、記入例、注意点など

防火管理者講習が終わって修了証をもらったら、次はこの届出書を消防署に提出して、はじめて正式な防火管理者になります。

私の会社でも、工場長が講習を受けて帰ってきた後、この届出書を出すまでが総務側の仕事でした。書き方や提出時の注意点をまとめておきます。

講習自体の内容や雰囲気については、防火管理者講習・前編(資格の内容、種類、申込方法)後編(当日の流れや雰囲気)で別記事にまとめているので、よかったらご覧ください。

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防火・防災管理者選任(解任)届出書とは

防火・防災管理者選任(解任)届出書は、選任した防火管理者(または防災管理者)を消防署に届け出るための書類です。書類自体は1枚ものですが、これを出さないと「資格は取ったけど消防署側ではまだ防火管理者として登録されていない」状態のままになります。

根拠は消防法第8条で、一定規模以上の建物(防火対象物)の管理権原者は防火管理者を定めて消防署に届け出る義務があります。解任して別の人を選任し直したときも、同じ書式で届け出ます。

いつ提出するの?

消防法では「防火管理者を定めたときは、遅滞なく所轄消防長または消防署長に届け出る」とされています。日数の明確な縛りはないですが、講習修了後・選任後はなるべく早めに出した方がいいと思います。

解任のときも同じ書式で「解任」にチェックを入れて出します。後任者がいる場合は、解任届と新しい人の選任届をセットで出すケースが多いですね。

誰が提出するの?

提出義務があるのは「管理権原者」です。要するに、その建物・施設を管理する責任を持っている人で、自社所有のビルなら社長、テナント入居なら入居企業の代表者というイメージです。

とはいえ、実際に書類を窓口へ持っていくのは総務担当者や代行の人で問題ありません(後述の「申請は本人じゃなくてもいいの?」を参照)。

提出しないとどうなるの?

消防法上は罰則規定もある(第41条・第44条)ので、出さないままにしておくのはおすすめしません。とはいえ実務的には、立入検査のときに「届出が出ていません」と指導される、ぐらいで済んでいるケースが多い気がします。それでも指導が入った時点で慌てて出すより、講習後すぐに出してしまう方が楽だと思います。

防火・防災管理者選任(解任)届出書の書き方、記入例

防火・防災管理者選任(解任)届出書の記入例

上の例の様に書いてもらえれば、問題ないと思います。

「選任」「解任」など複数の選択肢から選ぶ箇所は、〇で囲むのではなく、選ばない方を「ー」で消すのが流儀なので注意してください(私は最初〇で囲んで出して、窓口で書き直させてもらいました…)。

「名称」は防火対象物の名称および電話番号を記入します。例えば「○○株式会社○○工場」「○○銀行○○支店」「○○ビル○階 (株)○○商事」など、建物名+テナント名のように具体的に書きます。

「防火対象物」とは、消防法上で防火管理が必要とされる建物・施設のこと。劇場・百貨店・事務所ビル・工場・共同住宅などが該当します。

「用途」は防火対象物の用途を、政令別表第1に掲げる用途等で記入します。例えば「工場」「事務所」「特定用途の複合」など、その建物の使われ方を一言で書く欄ですね。

「令別表第1」は防火対象物の用途区分を、政令別表第1の項区分で記入します。例えば「(12)項イ」「(15)項」「(16)項イ」などです。主な区分はだいたい次の通り。

用途区分主な該当建物
(1)項劇場・映画館・公会堂
(5)項ロ共同住宅・寄宿舎
(12)項イ工場・作業場
(15)項事務所などその他の事業場
(16)項イ特定用途を含む複合用途防火対象物

正確な区分は消防署で確認してもらえることが多いので、迷ったら下書き段階で電話で聞いてしまうのが早いと思います。

「収容人員」は、消防法施行規則第1条の3の算定基準で算出した、防火対象物全体の収容人員を記入します。

「収容人員」は単純な従業員数ではなく、規則で決まった算定方法で出した人数のこと。事務所なら「従業員数+来場想定」、工場なら「従業員数」など用途ごとに計算ルールが違います。

「種別」は、政令第3条で定める防火対象物の区分(甲種・乙種など)に応じて、該当する方にレ点を付けます。

「管理権原」は、防火対象物の管理権原が分かれていない場合は「単一権原」、テナントが入っていて管理権原が分かれている場合は「複数権原」にレ点を付けます。

ざっくりした判断軸:1社で建物を丸ごと使っている=単一権原/オフィスビルの中に複数のテナントが入っている=複数権原、というイメージで問題ないと思います。

防火・防災管理者選任(解任)届出書の添付書類

防火・防災管理講習の修了証のコピーが必要です。

最近はオンライン講習の電子修了証を印刷して提出するパターンも増えています。色付きでプリントできれば、それで通ることが多い気がしますね(不安なら事前に管轄の消防署へ確認すると確実です)。

防火・防災管理者選任(解任)届出書の提出時の注意点

2部出すって本当?

正・副2部の持参が必要です。といっても、原本をコピーしたので大丈夫です。

副本は処理後、受付印を押して返されます(会社控えになります)。なくすと再発行が面倒なので、選任関係の書類フォルダにまとめて保管しておくのがおすすめです。

身分証明書はいるの?

身分証明書(運転免許証など)が必要なケースが多いです。私が出した時は、提出に行く担当者の身分証だけでよかったですね(防火管理者本人の身分証までは求められませんでした)。

提出先はどこ?

地域によって異なると思いますが、管轄の消防署のケースが多いと思います。事業所が複数ある会社だと、各事業所ごとに管轄消防署が違うこともあるので、住所から確認してから持っていくと安心です。

申請は本人じゃなくてもいいの?

管理権原者や防火管理者ご本人でなくても申請できますが、委任状がいるケースが多いです。総務担当者が代行で持っていくときは、委任状を1枚作って一緒に持参すると確実だと思います。

防火管理者講習の受講から選任届出完了までのタイムライン
STEP
書類2部を準備

記入済みの届出書を原本+コピーで2部用意し、講習修了証のコピーも添付します。

STEP
管轄の消防署窓口へ持参

持参者の身分証と、必要であれば委任状を添えて窓口に提出します。

STEP
副本を持ち帰り保管

受付印を押された副本を会社控えとして持ち帰り、選任関係の書類フォルダで保管します。

防火・防災管理者選任(解任)届出書のQ&A

解任届はいつ出すの?

防火管理者を解任したときも、選任時と同じ書式に「解任」のチェックを入れて、遅滞なく管轄の消防署へ提出します。後任者を立てる場合は、解任届と新任の選任届をセットで出すと処理がスムーズだと思います。

代理者の選任届も必要なの?

防火管理者の代理者は消防計画の中で定める扱いで、選任届の対象ではありません。代理者を変更したいときは消防計画を見直して再提出する流れが一般的ですね。

オンライン申請はできるの?

自治体によります。東京消防庁などはオンライン申請窓口が用意されていますが、地方の消防本部だと窓口持参のみのケースもまだ多いです。管轄消防署のホームページを先に確認するのが確実だと思います。

講習の電子修了証でも添付OK?

カラー印刷したものを添付すれば通ることが多いみたいです。ただし管轄によって紙の修了証を求めるケースもあるので、提出前に一度電話で聞いておくと安心ですね。

事業所が引っ越して管轄消防署が変わったら?

新しい管轄の消防署に改めて選任届を出す形になります。前の管轄に解任届を出す必要はないですが、念のため引越し先の消防署で確認してから提出する方が安心だと思います。

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