給与明細・賞与明細の作成と振込手続きの流れ

給与明細・賞与明細の作成と振込手続きの流れ

毎月の給与計算が終わったあと、給与明細を作って、振込の手続きをして……という一連の事務、初めて担当すると「どんな順番で、何をすればいいの?」と不安になりますよね。給与は従業員の生活に直結するので、ミスなく確実に進めたいところです。

給与明細の作成と振込手続きは、流れと締め切りを押さえておけば、毎月落ち着いて回せるようになります。賞与のときも基本は同じです。

この記事では、給与明細・賞与明細の作成と振込手続きの流れを、総務・経理の担当者向けにやさしく整理してみました。毎月の給与事務の参考にしてみてください。

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給与明細とは?交付は会社の義務

給与明細は、給与の支給額や控除額の内訳を従業員に知らせる書類です。実は、給与明細を従業員に交付することは、所得税法などで会社に義務づけられています。「明細は出さなくてもいい」ということはないので、必ず作成・交付しましょう。

給与明細の主な記載項目

給与明細は、大きく「勤怠」「支給」「控除」の3つのブロックで構成されます。それぞれの主な項目を整理しておきましょう。

給与明細の3ブロック構成(勤怠・支給・控除)と手取り額の図
区分主な項目
勤怠出勤日数、労働時間、残業時間、欠勤・有給日数
支給基本給、各種手当、残業代(総支給額)
控除社会保険料、源泉所得税、住民税(控除合計)

総支給額から控除合計を引いたものが、差引支給額(手取り額)です。この手取り額を、従業員の口座に振り込みます。

給与明細の作成から振込までの流れ

給与計算が終わってから、明細の作成・振込までの流れを順番に見ていきましょう。

給与明細の作成から振込・交付までの流れ図
STEP
勤怠を締めて給与を計算する

締め日で勤怠を確定し、支給額と控除額を計算します。残業時間や欠勤などの反映もれがないか、しっかり確認します。

STEP
給与明細を作成する

計算結果をもとに、勤怠・支給・控除の内訳を記載した給与明細を作成します。給与計算ソフトを使えば自動で作成できます。

STEP
振込データを作成する

各従業員の手取り額をもとに、振込データを作成します。振込先口座や金額に誤りがないか、必ず確認します。

STEP
振込手続きをする(期限に注意)

支払日に着金するよう、銀行の締め時間に間に合うように振込手続きをします。ネットバンキングなら事前予約も可能です。

STEP
給与明細を交付する

支払日までに、従業員へ給与明細を交付します。紙のほか、電子交付(メール・専用システム)も一定の要件のもとで認められています。

【ポイント】振込は支払日の前日までに手続き

給与は支払日に従業員の口座へ着金している必要があります。銀行の処理に時間がかかるため、振込手続きは支払日の前日までに済ませるのが基本です。支払日が土日祝の場合は前営業日が支払日になることが多いので、スケジュールに余裕をもって進めましょう。

賞与明細の場合の違い

賞与(ボーナス)のときも、明細の作成と振込の流れは基本的に同じです。ただし、控除の計算が毎月の給与とは少し異なります。

賞与明細の給与との違い(社会保険料・源泉所得税・賞与支払届)の図

社会保険料・源泉所得税の計算が異なる

賞与の社会保険料は、賞与額をもとに計算します(標準賞与額に保険料率をかける)。源泉所得税も、月々の給与とは別の方法(前月の給与をもとにした率を使う)で計算します。また、賞与を支払ったら「賞与支払届」を年金事務所に提出する必要があります。計算方法の詳しい解説は、賞与の計算方法、記入例(明細例)など~社会保険料、税金の仕組みを解説~もあわせてどうぞ。

給与明細・振込で気をつけたいこと

ダブルチェックで振込ミスを防ぐ

給与の振込ミスは、従業員の信頼に関わる重大なミスです。金額や振込先は、できるだけ複数人で確認(ダブルチェック)して、間違いを防ぎましょう。とくに、口座変更があった従業員や、入退社のあった月は注意が必要です。

給与明細の控えを保管する

給与明細や給与計算の記録は、会社側でも控えを保管しておきます。賃金台帳として一定期間の保存が義務づけられているほか、後から問い合わせがあったときの確認にも役立ちます。電子で保存する場合は、いつでも確認・出力できる状態にしておきましょう。

給与明細・振込に関するよくある質問(FAQ)

給与明細は必ず交付しないといけませんか?

はい、交付は会社の義務です。所得税法などにより、給与の支払者は従業員に給与明細(支払明細書)を交付することが義務づけられています。支給額や控除額の内訳を従業員に知らせる必要があるため、必ず作成・交付しましょう。交付しないことは法令違反になります。

給与明細は電子化してもいいですか?

一定の要件を満たせば、給与明細の電子交付が認められています。メールでの送付や専用システムでの閲覧などが可能です。ただし、原則として従業員の同意が必要で、従業員が書面の交付を求めた場合は紙で交付する必要があります。電子化するときは、要件を確認して進めましょう。

振込はいつまでに手続きすればいいですか?

給与は支払日に従業員の口座へ着金している必要があります。銀行の処理に時間がかかるため、振込手続きは支払日の前日までに済ませるのが基本です。支払日が土日祝にあたる場合は、前営業日を支払日とする会社が多いです。締め時間や着金のタイミングを確認し、余裕をもって手続きしましょう。

賞与の明細・振込は給与と何が違いますか?

明細の作成や振込の流れは基本的に同じですが、控除の計算方法が異なります。賞与の社会保険料は賞与額をもとに計算し、源泉所得税も月々の給与とは別の方法で計算します。また、賞与を支払ったら賞与支払届を年金事務所に提出する必要があります。計算方法の違いに注意しましょう。

振込を間違えてしまったらどうすればいいですか?

まず該当する従業員に事情を説明し、誠実に対応します。金額が不足していた場合は、不足分を速やかに追加で振り込みます。多く振り込んでしまった場合は、従業員に返還を依頼します。給与の振込ミスは信頼に関わるため、ダブルチェックで未然に防ぐことが何より大切です。再発防止策も検討しましょう。

給与明細の作成と振込手続きは、「勤怠を締めて計算→明細作成→振込データ作成→支払日前日までに振込→明細を交付」という流れが基本です。給与明細の交付は会社の義務で、振込は支払日に着金するよう余裕をもって手続きするのがポイント。ダブルチェックでミスを防ぎ、従業員が安心できる給与事務を心がけましょう。

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