会社説明会の開催と選考方法の決め方

会社説明会の開催と選考方法の決め方

求人を出して応募が集まってきたら、次はいよいよ「選考」です。でも、いざ選考を始めようとすると、「会社説明会は開いた方がいいのかな」「書類選考と面接、どんな順番でやればいいんだろう」と迷う方は多いと思います。

私も総務で採用のサポートをするなかで、選考のやり方が会社によってずいぶん違うことに気づきました。なんとなく前年のやり方を引き継ぐのではなく、「自社にはどんな選考が合うのか」を一度きちんと考えてみると、採用の質がぐっと安定します。

今回は、会社説明会の目的や進め方と、自社に合った選考プロセスの組み立て方を整理しました。選考の設計に迷ったときの土台として、参考にしてください。

なお、募集から内定・入社までの採用全体の流れは求人〜採用など<入社前の手続・準備>でまとめているので、あわせてご覧ください。

タップできるもくじ

採用選考とは?募集の次に決めること

採用選考とは、応募してくれた人の中から「自社に合う人」を見極めていくプロセスのことです。求人で人を集める段階が終わったら、次はこの選考の段階に入ります。

募集(集める)の次は選考(見極める)

採用活動は、大きく「集める」と「見極める」に分かれます。求人広告やハローワークで応募を集めるのが前半、応募者の中から採用する人を選ぶのが後半の選考です。どれだけ多くの応募を集めても、選考がうまくいかなければ良い採用にはつながりません。

採用の流れ(集める→見極める)と会社説明会の位置づけ図

選考では、応募書類を見て、必要なら適性検査をして、面接で人柄や意欲を確かめていきます。会社が応募者を見極めると同時に、応募者も会社を見ているという、お互いを知り合う場でもあります。

会社説明会と選考はセットで設計する

会社説明会は、応募者に自社のことを知ってもらう場です。選考そのものではありませんが、説明会で会社の魅力が伝わるかどうかで、その後の選考への応募者の意欲も変わってきます。

そのため、会社説明会と選考は切り離さず、ひとつの流れとして設計するのがおすすめです。「どう知ってもらい、どう見極めるか」をセットで考えると、応募者にとっても分かりやすい採用になります。

会社説明会の開催|目的・形式・進め方

まずは会社説明会から見ていきます。説明会は必ず開かなければいけないものではありませんが、応募者との相互理解を深めるうえで効果的です。

会社説明会の目的(相互理解とミスマッチ防止)

会社説明会の一番の目的は、応募者と会社がお互いを正しく理解することです。事業内容や仕事の中身、社風や働く環境を伝えることで、応募者は「自分に合いそうか」を判断できます。

ここで大切なのは、良いところばかりを並べないことです。仕事の大変な面や求められることも正直に伝えておくと、入社後の「思っていたのと違った」というミスマッチを防げます。早期離職を減らすうえでも、等身大の説明を心がけたいところです。

開催形式の選び方(対面/オンライン/合同・単独)

会社説明会には、いくつかの開催形式があります。それぞれに向き不向きがあるので、自社の状況に合わせて選びます。

会社説明会の開催形式(対面・オンライン・合同・単独)の分類図
形式特徴向いているケース
対面(自社開催)職場の雰囲気を直接伝えられる社風や現場を見てほしいとき
オンライン遠方の応募者も参加しやすい・コストを抑えやすい幅広い地域から集めたいとき
合同説明会多くの応募者と接点を持てる認知度を上げたい・母集団を増やしたいとき
単独説明会自社の話をじっくり伝えられる応募意欲の高い人と深く話したいとき

最近はオンライン説明会も一般的になりました。対面とオンラインを組み合わせて、一次は気軽にオンライン、その後に対面で職場を見てもらう、といった流れにする会社も増えています。

会社説明会の準備と進め方

説明会は、当日になって慌てないよう、内容と役割を事前に決めておきます。大まかな進め方は次のとおりです。

STEP
伝える内容を整理する

会社概要・事業内容・仕事の中身・働く環境・募集要項・選考の流れなど、伝えたいことを整理します。スライドや資料を用意しておくと進めやすいです。

STEP
役割分担と会場を決める

司会・説明担当・質疑応答の担当を決めます。対面なら会場、オンラインなら使うツールと接続テストも準備しておきます。

STEP
当日は対話を意識する

一方的に話すだけでなく、質問の時間をしっかり取ります。社員との座談会を入れると、応募者の不安が和らぎ、入社意欲も高まります。

STEP
次の選考への案内をする

説明会の最後に、応募の方法や次の選考の流れを案内します。ここで道筋を示しておくと、応募者が迷わず次のステップに進めます。

選考方法の種類と特徴

会社説明会のイメージがつかめたら、次は選考方法です。選考にはいくつかの方法があり、それぞれ分かることが違います。組み合わせて使うのが一般的です。

主な選考方法の一覧比較表

選考方法主に分かること特徴
書類選考経歴・スキル・志望動機多くの応募者を効率よく絞り込める
適性検査性格傾向・基礎能力面接では見えにくい部分を客観的に把握できる
筆記試験知識・専門スキル職種に必要な力を直接確認できる
面接人柄・意欲・コミュニケーション直接話して見極められる。複数回行うことも多い
選考方法ごとに分かることの違いの図

それぞれの選考で何が分かるのか

書類選考は、応募者の経歴やスキルをまとめて確認できるので、最初の絞り込みに向いています。適性検査は、面接だけでは見えにくい性格傾向や基礎能力を客観的につかむのに役立ちます。

そして面接は、人柄や意欲を直接確かめられる選考の中心です。1回だけでなく、一次面接で現場の担当者が、最終面接で役員が見る、というように複数回に分けることもよくあります。それぞれの方法で見える部分が違うので、組み合わせることで多面的に見極められます。

自社に合った選考プロセスの決め方

選考方法が分かったら、それをどう組み合わせて「選考フロー」を作るかです。ここが選考設計の中心になります。

選考フローの組み立て方(何を・何回・どの順番で)

選考フローとは、どの選考を、どの順番で、何回行うかという流れのことです。一般的には「書類選考 → 一次面接 → 最終面接」が基本形で、必要に応じて適性検査や筆記試験を加えます。

選考フローの組み立て方(書類選考→一次面接→最終面接)の図

気をつけたいのは、選考の回数を増やしすぎないことです。回数が多いほどじっくり見極められますが、その分、応募者の負担が増え、途中で辞退されやすくなります。中小企業なら「書類選考+面接1〜2回」くらいに絞り、スピーディーに進めるのが現実的です。

評価基準(求める人物像)を先に決めておく

選考を始める前に、「どんな人を採りたいのか」という評価基準を決めておくことがとても大切です。求める人物像があいまいなまま面接をすると、面接官の好みや印象だけで判断してしまい、採用がブレてしまいます。

必要なスキル・経験・人柄などを具体的に書き出し、面接官の間で共有しておきましょう。評価シートを用意して、同じ基準で点数をつけるようにすると、複数の面接官でも判断がそろいやすくなります。

応募者への連絡スピードと辞退防止

選考プロセスを考えるときに見落としがちなのが、応募者への連絡のスピードです。書類選考の結果や面接の日程連絡が遅いと、その間に他社に決まってしまうことがあります。

とくに人手不足の今は、応募者は複数の会社を同時に受けているのが普通です。連絡は早めを心がけ、合否の通知も丁寧に行うと、辞退を防ぎやすくなります。選考のスピードそのものが採用力になる、という意識を持っておくとよいと思います。

選考を進めるうえでの注意点

選考は、応募者の人生にも関わる大切な場面です。公平で、法令に沿った進め方を心がける必要があります。

公平・公正な選考を心がける

採用選考は、応募者の適性や能力に基づいて行うのが基本です。先ほどの評価基準を全員に同じように当てはめることで、公平さを保てます。担当者によって判断がバラバラにならないよう、基準を共有しておくことが大事です。

聞いてはいけないこと・差別につながる評価を避ける

選考では、本人に責任のない事柄(本籍地・家族・生活環境など)や、思想・信条にかかわることを採否の判断材料にしてはいけません。これらは就職差別につながるおそれがあるとされ、厚生労働省も配慮を求めています。

面接で何を聞いてよく、何を避けるべきかは判断に迷う場面が多い部分です。具体的な質問の線引きについては、別記事で詳しくまとめる予定なので、あわせて確認すると安心です。

まとめ|選考は「見極め」と「動機づけ」の両輪

会社説明会は、応募者との相互理解を深め、ミスマッチを防ぐ場です。良い面も大変な面も正直に伝えることで、入社後の定着につながります。

選考プロセスは、求める人物像という評価基準を先に決め、書類選考や面接を自社に合った形で組み合わせて設計します。回数を増やしすぎず、連絡を早めにすることが、辞退を防ぐコツです。選考は応募者を見極めるだけでなく、「この会社で働きたい」と思ってもらう動機づけの場でもあります。見極めと動機づけ、この両輪を意識して設計してみてください。

採用選考に関するよくある質問

会社説明会は必ず開かないといけませんか?

必ず開く必要はありません。中途採用で少人数を採る場合は、説明会を開かずに面接の中で会社の説明をすることもよくあります。一方、新卒採用や複数名を採る場合は、説明会を開いた方が効率よく自社を知ってもらえます。採用人数や対象に合わせて判断するとよいです。

選考は何回くらいやるのが適切ですか?

決まりはありませんが、中小企業なら「書類選考+面接1〜2回」が一つの目安です。回数を増やせばじっくり見極められますが、応募者の負担が増えて辞退につながりやすくなります。役職や重要なポジションは回数を多めに、一般職はスピード重視で、と職種ごとに変えるのも一つの方法です。

適性検査は導入した方がいいですか?

面接だけでは見えにくい性格傾向や基礎能力を客観的に把握できるので、判断材料を増やしたい場合には有効です。ただし、検査の結果だけで合否を決めるのは避け、あくまで面接などと合わせて総合的に判断するのが基本です。費用もかかるので、採用人数や職種を見て導入を検討するとよいです。

オンラインの会社説明会で気をつけることは?

事前の接続テストと、当日のトラブル対応の準備が大切です。通信が不安定だと印象を損ねるので、安定した環境で行いましょう。また、画面越しだと一方的になりやすいため、質問の時間を多めに取り、応募者が発言しやすい雰囲気を作ると、相互理解が深まります。

面接官が複数いると評価がバラバラになりませんか?

評価基準と評価シートを事前に共有しておくことで、ある程度そろえられます。求める人物像を具体的に決め、同じ項目で点数をつけるようにすると、面接官による差が小さくなります。面接後に評価をすり合わせる時間を設けると、より納得感のある判断ができます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
タップできるもくじ