「経営理念や経営計画をつくりたいけれど、何から始めればいいのか」。会社が成長していく中で、進むべき方向を言葉にしておく必要性を感じる場面は多いものです。総務や管理部門が、その策定や社内への周知に関わることもあります。
私も会社の方針づくりに携わったことがありますが、立派な理念や計画をつくっても、社員に伝わらなければ意味がない、と痛感しました。大切なのは、つくることと、社内にしっかり浸透させることの両方です。
今回は、経営理念・経営計画とは何か、その策定の進め方と社内への周知の方法を、わかりやすく整理しました。会社の方向性を言葉にして社内に根づかせたい方の参考になればうれしいです。
経営理念・経営計画とは
まずは、経営理念と経営計画がそれぞれどういうものかを整理しておきましょう。

経営理念とは
経営理念とは、会社が何のために存在し、どんな価値観を大切にするのかを表した、会社の根本的な考え方です。「私たちはこういう会社でありたい」という、進むべき方向の土台になるものです。経営理念があることで、社員が同じ価値観を共有し、判断に迷ったときの拠りどころにもなります。会社の「軸」となる、変わらない部分だといえます。
経営計画とは(長期・中期・短期)
経営計画とは、経営理念を実現するために、具体的に何をどう進めるかをまとめた計画です。期間の長さによって、長期・中期・短期に分けられます。
| 種類 | 期間の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 長期計画 | おおむね5〜10年 | 会社の将来像、目指す方向 |
| 中期計画 | おおむね3〜5年 | 具体的な目標、重点施策 |
| 短期計画 | 1年(単年度) | 年度の目標、行動計画、予算 |
理念と計画の関係
経営理念と経営計画は、セットで考えるものです。理念が「目指す姿」、計画が「そこへ至る道筋」という関係にあります。理念だけでは具体的な行動につながらず、計画だけでは何のためにやるのかが見えなくなります。理念を土台に計画を立て、計画を実行することで理念に近づいていく。この流れを意識することが大切です。
経営理念の策定の進め方
経営理念は、次のような流れで策定していきます。
会社を始めた理由や、これまで大切にしてきた価値観を改めて整理します。経営者の想いが、理念の出発点になります。
振り返った想いや価値観を、短く分かりやすい言葉にまとめます。誰が読んでも理解できる、覚えやすい表現を心がけます。
経営者だけでなく、社員の意見も聞きながら検討すると、納得感のある理念になります。最終的に会社としての理念を決定します。
経営計画の策定の進め方
経営計画は、理念を実現するための具体的な道筋として、次のように策定します。

自社の強み・弱み、市場や競合の状況などを整理します。今どこにいるのかを正しく把握することが、計画の出発点です。
理念をふまえ、長期・中期・短期の目標を設定します。できるだけ具体的で、達成したか分かる形にするのがポイントです。
目標を達成するために、誰が・いつ・何をするかを決めます。担当や期限を明確にすると、実行に移しやすくなります。
計画を実行しながら、定期的に進み具合を確認します。うまくいかない点は見直し、計画を柔軟に修正していきます。
計画を立てる際の市場や競合の調べ方については、こちらの記事も参考になります。
出店、閉店、新規事業、撤退などの経営戦略における情報収集方法

社内への周知の方法
経営理念や経営計画は、つくっただけでは意味がありません。社員に伝わり、共有されてこそ力を発揮します。

浸透させる工夫
理念や計画を社内に浸透させるには、繰り返し伝えることが欠かせません。朝礼や全社会議で経営者の言葉として伝える、社内報やイントラネットに掲載する、目に触れる場所に掲示するなど、さまざまな方法を組み合わせると効果的です。一度伝えただけでは忘れられてしまうので、日常的に触れる機会をつくることがポイントです。
周知だけで終わらせない
理念や計画は、社員が「知っている」だけでなく、「行動に活かせる」状態を目指したいものです。日々の業務の中で理念に沿った行動を評価したり、計画の進み具合を共有して一人ひとりの役割を意識してもらったりすると、ぐっと身近なものになります。伝えて終わりにせず、社員が自分ごととして捉えられるよう、働きかけを続けることが大切です。
まとめ
経営理念とは、会社が大切にする価値観や存在意義を表した根本的な考え方で、経営計画はそれを実現するための具体的な道筋です。理念が「目指す姿」、計画が「そこへ至る道筋」という関係にあり、セットで考えることが大切です。
経営理念は創業の想いや価値観を言葉にして策定し、経営計画は現状分析から目標設定、行動計画へと落とし込んでいきます。そして、つくった理念や計画は、繰り返し伝えて社内に浸透させ、社員が行動に活かせる状態を目指しましょう。策定と周知の両方に取り組むことで、会社の方向性が社内にしっかり根づいていきます。
よくある質問
- 経営理念と経営計画は何が違いますか?
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経営理念は、会社が大切にする価値観や存在意義を表した根本的な考え方で、簡単には変わらない「軸」となるものです。経営計画は、その理念を実現するために、具体的に何をどう進めるかをまとめた計画です。理念が「目指す姿」、計画が「そこへ至る道筋」と考えると分かりやすいでしょう。
- 小さな会社でも経営理念は必要ですか?
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規模に関わらず、経営理念があると役立ちます。会社が大切にする価値観が明確になれば、社員が同じ方向を向きやすくなり、判断に迷ったときの拠りどころにもなります。立派な言葉である必要はありません。経営者の想いを素直に言葉にするだけでも、会社の軸として十分に機能します。
- 経営計画はどのくらいの期間で立てればいいですか?
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長期(5〜10年)、中期(3〜5年)、短期(1年)に分けて立てるのが一般的です。まずは単年度の短期計画から始め、慣れてきたら中期・長期へ広げていくのも一つの方法です。会社の状況に合わせて、無理のない範囲で立て、定期的に見直していくことが大切です。
- 経営理念が社員に浸透しません。どうすればいいですか?
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浸透には、繰り返し伝えることが欠かせません。朝礼や会議、社内報、掲示など、複数の方法で日常的に触れる機会をつくりましょう。さらに、理念に沿った行動を評価したり、具体的な場面と結びつけて伝えたりすると、社員が自分ごととして捉えやすくなります。一度で終わらせず、地道に続けることが大切です。
- 経営計画は誰がつくるものですか?
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最終的には経営者が責任を持って決定しますが、策定の過程で社員や各部署の意見を取り入れると、現場の実態に合った計画になり、納得感も高まります。総務や管理部門が、情報の取りまとめや資料づくりでサポートすることもあります。みんなで関わってつくると、実行段階での協力も得やすくなります。




